3. 住民税が下がっても保険料は下がらない

ここからは、保険料の計算に関わってきた立場から補足していきます。

3.1 保険料の計算に使うのは所得

国民健康保険料や後期高齢者医療保険料の所得割は、住民税の税額に対して何%という形では計算されません。前年の所得をもとに、各自治体や広域連合が定めた料率をかけて算出します。

ふるさと納税による控除は、税額から差し引く税額控除です。所得そのものを減らすわけではありません。そのため、住民税が下がっても、保険料の所得割は変わらないことになります。

3.2 窓口でも行き違いが起きやすかった

保険料の計算を担当していた頃、「住民税が下がったのに保険料が変わらない」という相談を受けることがありました。ふるさと納税に限らず、住民税と保険料は連動しているようで控除の使い方が違うためです。

住民税で適用される配偶者控除などの人的控除も、保険料の所得割には適用されません。制度が別に組み立てられていると考えておくほうが、金額を見たときの納得が早くなります。

4. 保険料以外にも影響しないもの

同じ理由で、いくつかの判定にも影響しません。

4.1 住民税非課税かどうかの判定

住民税が非課税かどうかは、所得が一定の基準を下回るかどうかで判定されます。ふるさと納税で税額が減っても、所得の額が変わるわけではありませんので、非課税かどうかの判定は動きません。

住民税非課税世帯であることを条件とする給付金や支援制度についても、同じことがいえます。

4.2 そもそも住民税がかかっていない場合

住民税が非課税の人は、控除する先がありません。ふるさと納税をしても、2000円を超える部分が戻ってくることはなく、寄附した金額がそのまま自己負担になります。

また、年末調整などで所得税が0円になっていて住民税からのみ控除を受ける場合は、住民税に関する申告書を市区町村に提出する必要があるとされています。自分がどの立場にあたるかは、お住まいの市区町村の窓口で確認してみてください。

5. まとめにかえて

ふるさと納税の控除は、所得税分、住民税の基本分、住民税の特例分の3つに分かれて計算されます。特例分が住民税所得割額の2割を超えると、実質負担は2000円を超えます。

ワンストップ特例を使えば確定申告は不要ですが、寄附先が5団体以内であることが条件で、確定申告をする場合には使えません。控除は全額が翌年度の住民税から引かれます。

そして、住民税が下がっても国民健康保険料や後期高齢者医療保険料は下がりません。控除の上限額も一人ひとり違いますので、迷うときはお住まいの市区町村や税務署に確認してみてください。

参考資料

太田 彩子