住民税は、前年の1月から12月の所得をもとに金額が決まります。今年度はすでに住民税決定通知書が送付されており、給与や年金から住民税が差し引かれている人もいるでしょう。
住民税は、所得が一定額以下だと非課税になります。住民税が非課税だと、さまざまな優遇措置を受けられます。給与・年金がいくらなら、住民税が非課税になるのでしょうか。
この記事では、住民税が非課税になる基準や、非課税で受けられる優遇措置について解説します。
なお、住民税の仕組みや非課税世帯の優遇措置に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。本文中の引用部分は引用ブロックで示しています。
- 住民税は「所得割」と「均等割」の2つで構成され、どちらも課されない人が住民税非課税。世帯全員が非課税なら「住民税非課税世帯」になる
- 東京23区の場合、給与収入は単身110万円・夫婦166万円、65歳以上の年金収入は単身155万円・夫婦211万円が目安
- 高額療養費の自己負担上限、介護施設の食費・居住費の軽減、高等教育の修学支援など、見落としやすい優遇措置が4つある
1. 住民税非課税世帯の定義と割合
住民税を構成する2つの要素については、「【住民税非課税世帯】給与・年金の収入基準《ボーダーラインはいくら?》知っておきたい5つの優遇制度」から要点を引用して確認してみます。
- 均等割:所得に関係なく一律に課税される部分
- 所得割:所得に応じて税額が決まる部分
出所:【住民税非課税世帯】給与・年金の収入基準《ボーダーラインはいくら?》知っておきたい5つの優遇制度
このうち、均等割は一定以上の所得がある場合に定額で課され、所得割は前年の所得に応じて計算されます。上記のどちらも課されない人は、住民税が非課税になります。
世帯の構成員全員に住民税が課されていない場合、その世帯は「住民税非課税世帯」とみなされます。世帯の誰かに住民税が課税されている場合、その世帯は住民税非課税世帯にはなりません。
では、住民税非課税世帯の割合はどれくらいなのでしょうか。厚生労働省の「令和6年国民生活基礎調査」の課税世帯割合から逆算して見てみましょう。
- 29歳以下:63.0%
- 30〜39歳:87.5%
- 40~49歳:88.2%
- 50~59歳:87.3%
- 60~69歳:79.8%
- 70~79歳:61.3%
- 80歳以上:52.4%
- 65歳以上(再掲):61.1%
- 75歳以上(再掲):54.4%
上記の数字は課税世帯の割合です。単純に計算すると、100%から上記の割合を差し引いた数字が、住民税非課税世帯の割合に近いといえるでしょう。
20歳代の若年層を除くと、30歳代から50歳代までは、非課税世帯がおおむね10%台で推移しています。60歳代では2割台となり、70歳代では約4割、80歳以上では約半数が住民税非課税世帯と考えられます。
2. 【給与・年金別】住民税非課税になる収入はいくら?
住民税が非課税になる収入を、給与・年金別で見てみましょう。今回は、東京23区在住で、給与や年金以外に収入がない場合を例に見ていきます。
住民税非課税になる給与収入2/6
出所:筆者作成
給与収入
- 単身世帯:110万円
- 夫婦世帯:166万円(配偶者は110万円以内)
住民税非課税になる年金収入3/6
出所:筆者作成
年金収入(65歳以上)
- 単身世帯:155万円
- 夫婦世帯:211万円(配偶者は155万円以内)
いずれも税金や社会保険料を差し引く前の額面収入です。扶養親族がいる人や、障害者・ひとり親・寡婦などに該当する人には、異なる非課税基準が設けられています。
また、住民税が非課税になる所得基準は自治体によって異なるため、上記の金額は目安のひとつとして考えておきましょう。
同じ「年金155万・給与110万」というボーダーラインと、対象となる優遇措置の全体像についてはこちらの記事でくわしく解説しています。あわせてご参考ください。
「住民税非課税世帯」を対象とした「優遇措置」8選 《年金・給与》年収いくらで該当するのか境界線も見ておこう 年金155万・給与110万が分かれ目?
もし給与と年金の両方がある場合は、給与所得と年金所得それぞれで計算してから合算します。たとえば、65歳以上の単身者が年金150万円と給与70万円を受け取る場合、所得の計算は以下のとおりです。
- 年金所得:150万円 - 公的年金等控除110万円 = 40万円
- 給与所得:70万円 - 給与所得控除55万円 = 15万円
- 所得金額調整控除:10万円
- 合計所得:45万円
ほかに所得がなく、東京23区のように非課税となる所得基準が45万円以下の自治体であれば、住民税が非課税になる可能性があるでしょう。
次章では、住民税非課税による優遇措置を紹介します。

