2026年、夏らしい夏がはじまり、しばらく過ぎました。
世帯年収500万円のご家庭では、楽しい旅行の計画を立てつつも「夏休みの出費」に頭を悩ませている頃ではないでしょうか。
筆者も同じく、給食や学校のない夏休みに戦々恐々としています。
レジャーの計画に胸が弾む一方、気になるのが「夏休みの出費」ですが、今は新年度分の住民税の支払いや天引きの負担が家計に本格的に響き始めるタイミングでもあります。
そこで本記事では、夏休みの出費とあわせて考えたい、世帯年収500万円の場合の住民税について詳しく解説します。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談・助言ではありません。具体的な税務判断は、税理士または居住地の自治体窓口へご相談ください。制度は改正されることがあります。
※投稿の画像は【写真】をご参照ください。
1. この記事の3つの読みどころ
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世帯年収500万円の住民税の目安がわかる -
家族構成別の住民税シミュレーション結果がわかる -
住民税についてわかる
2. 【世帯年収500万円の住民税】住民税の概要と計算方法
まずはじめに住民税の性質や計算方法について説明します。
2.1 住民税とは
総務省の資料によると、住民税とは、わたしたちが生活する地域で提供される公共施設、ゴミ処理、学校教育といった行政サービスの費用を、住民が広く分担し合う「地域社会の会費」のような性格を持つ地方税です。
道府県民税と市町村民税があり、納める際は合算して市町村へ納付します。
なお、個人が負担するものを「個人住民税」、法人が負担するものを「法人住民税」と区別しますが、本記事では「住民税」で統一します。
2.2 住民税の計算方法
住民税の額は、定額の「均等割(基本料金)」と、前年の所得に応じて計算される「所得割(変動料金)」の2つを合計して決まります。
1. 均等割(基本料金)
所得の多少に関わらず、非課税となる基準を超えた人が全員一律で負担する料金です。
標準額:年額 5000円
内訳は、市町村民税 3000円 + 都道府県民税 1000円 + 森林環境税 1000円 (標準額)の合計5000円です。
なお、森林環境税と東日本大震災の復興特別税(復興特別住民税)は、どちらも個人の住民税(均等割)に上乗せされて徴収される税金ですが、復興特別税が2023年度で終了し、代わって2024年度から森林環境税が導入されたという「入れ替わり」の関係にあります。
2. 所得割(変動料金)
前年(1月1日〜12月31日)の所得をもとに、以下の4つの順で計算します。
①所得金額を出す 【収入金額 - 必要経費等 = 所得金額】
会社員の場合は、経費の代わりに給与額に応じた「給与所得控除」を引きます。
②課税所得金額を出す 【所得金額 - 所得控除 = 課税所得金額】
基礎控除、配偶者控除、社会保険料控除など、家族構成や個人的な事情を考慮して税金対象から外してくれる「免除枠」を差し引きます。
③算出税額を出す 【課税所得金額 × 10% = 算出税額】
標準税率は道府県民税4%・市町村民税6%の合計10%です。
なお、自治体の財政状況や独自の政策によって、この標準税率とは異なる税率が設定されることがあります。
④最終的な所得割(変動料金)を出す 【算出税額 - 税額控除 = 所得割額】
ふるさと納税や、所得税から引ききれなかった分の住宅ローン控除(上限あり)などがあれば、ここで直接差し引かれます。
次に、年収500万円の世帯における、家族構成別の住民税額を見ていきましょう。
3. 【世帯年収500万円の住民税】家族構成別の住民税額シミュレーション
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ではここから、「世帯年収500万円」でも家族構成によって住民税がどう変わるかシミュレーションしてみましょう。
なお、計算の前提は以下とします。
- 社会保険料は年収の約15%と仮定
- 基礎控除、配偶者(特別)控除、扶養控除を適用し、均等割(森林環境税含む5000円)を加算した標準的な概算(世帯合算額)
3.1 シミュレーション① 夫婦2人(夫の年収500万円、妻の年収0円)
世帯の住民税額:約20万〜21万円前後
妻の収入がないため、夫に「配偶者控除」が適用され、個人の事情(所得控除)として税金が安くなります。
3.2 シミュレーション② 夫婦2人(夫の年収300万円、妻の年収200万円)
世帯の住民税額:約17万〜18.5万円前後 (夫:約11.5万〜12万円 + 妻:約5.5万〜6.5万円)
世帯年収はシミュレーション①と同じ500万円ですが、収入が2人に分散されているため、それぞれに「基礎控除」等の免除枠が適用され、①の片働きよりも世帯全体の税額は安くなります。
3.3 シミュレーション③ 夫婦2人と子供1人(夫の年収500万円、妻の年収0円、子供の年齢16歳未満)
世帯の住民税額:約20万〜21万円前後
税額はシミュレーション①(子供なし)と変わりません。16歳未満の子供がいる家庭には「児童手当」が支給される代わりに、住民税の計算上は「扶養控除」の対象外となるルールになっているためです。
3.4 シミュレーション④ 夫婦2人と子供1人(夫の年収500万円、妻の年収0円、子供の年齢16歳~18歳)
世帯の住民税額:約16.5万〜17.5万円前後
高校生年代(16歳〜18歳)の子供がいると「一般扶養控除」の免除枠が適用されるため、シミュレーション①や③と比べて税額が安くなります。
3.5 シミュレーション⑤ 夫婦2人と子供1人(夫の年収500万円、妻の年収0円、子供の年齢19歳~22歳)
世帯の住民税額:約15万〜16.5万円前後
大学生年代(19歳〜22歳)の子供がいる場合、教育費の負担が大きい時期としてさらに枠の大きい「特定扶養控除」が適用され、シミュレーションの中で最も税額が安くなります。
いかがでしょうか。
お子様がいる世帯の場合、子供の年齢によって住民税の金額が異なってくることがわかりますね。
4. 【世帯年収500万円の住民税】まとめ
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いかがでしょうか。
同じ世帯年収でも、働き方(共働きかどうか)や子どもの成長ステージによって、払う住民税はこれだけ変わってきます。
筆者の家庭は、今は税金の優遇が少なく感じる小学生の親世代ですが、これから子供が成長するにしたがって、住民税の金額も変わってくることが予想できました。
今後どのように変化していくか、毎年必ずチェックするようにしたいと思います。
5. 監修者からのアドバイス

自治体で国民健康保険や後期高齢者医療の窓口を担当していたころ、住民税そのものは所管が別でしたが、保険料の相談を受ける際に住民の方の住民税課税状況を確認する場面は数多くありました。保険料の算定は前年の所得を基準に行うため、住民税の通知と保険料の通知はいわば「同じ土台」から出てくる書類だからです。
窓口では、「住民税が下がったのに国保料は上がった」あるいは「その逆」という相談を、毎年6月から7月に集中して受けていました。同じ所得情報から出発する書類でも、それぞれ別の物差しで計算されているため、増減が一致しないことは決して珍しくないのです。
年収500万円のような子育て世代の家庭は、家族構成や子どもの年齢の変化が住民税と保険料の両方に影響するタイミングでもあります。6月に届く通知書は、金額を確認するだけで終わらせず、家族状況が正しく反映されているかまで一度目を通しておくと、翌年の家計計画も立てやすくなります。
参考資料
LIMO編集部社会保障解説班