3. 申告書を出さないと20.42%が引かれる

手続きの面で、知らないと損をする点があります。

3.1 提出していれば原則として確定申告は不要

国税庁によると、「退職所得の受給に関する申告書」を提出している人は、退職金等の支払者が所得税額および復興特別所得税額を計算し、支払の際に源泉徴収されるため、原則として確定申告は必要ありません。

この場合、退職所得控除額と2分の1の計算が反映されたうえで源泉徴収されます。

3.2 出していないと精算が必要になる

一方、提出していない人については、退職金等の支払金額の20.42%が源泉徴収されます。控除を差し引く前の金額に対して一律で課されるため、本来より多く引かれることになります。

この場合は、受給者本人が確定申告を行うことで精算します。放置すると戻ってきません。退職時に渡される書類のなかにこの申告書がありますので、必ず出しておきたいところです。

4. 勤続年数が短い場合の例外

2分の1の計算には例外が設けられています。

4.1 役員等で勤続5年以下の場合

特定役員退職手当等に該当する場合、つまり役員等勤続年数が5年以下である人が受け取る退職手当等については、退職金の額から退職所得控除額を差し引いた額がそのまま退職所得の金額になります。2分の1の計算は適用されません。

役員等には、法人の取締役や執行役、監査役などのほか、国会議員や地方公共団体の議会の議員、国家公務員および地方公務員が含まれます。

4.2 役員等以外で勤続5年以下の場合

短期退職手当等に該当する場合、つまり役員等以外の者として勤務した期間で計算した勤続年数が5年以下の場合は、退職金の額から退職所得控除額を差し引いた額のうち300万円を超える部分について、2分の1の計算が適用されません。

300万円以下の部分については、通常どおり2分の1になります。転職を重ねている場合は、この点を確認しておきたいところです。

5. まとめにかえて

退職所得は、収入金額から退職所得控除額を引いた残りの2分の1が課税対象になります。控除額は勤続20年以下が40万円×勤続年数、20年超が800万円+70万円×(勤続年数−20年)です。

一時金なら退職所得、年金なら雑所得として公的年金等控除の対象になります。どちらが有利かは勤続年数と退職金の額、公的年金の額によって変わります。

「退職所得の受給に関する申告書」を出していないと20.42%が源泉徴収されます。受け取り方の判断も含めて、迷うときは勤務先の担当部署や税務署に確認してみてください。

参考資料

中本 智恵