年金は偶数月に支払われます。8月の支払日を終え、次は10月——この2カ月ごとの入金額が、退職後の家計をどこまで支えられるのかは、夫婦それぞれの現役時代の働き方で決まります。
厚生年金の平均月額は15万289円ですが、これはあくまで全体をならした金額です。男女別に見ると、その内訳はかなり違った姿になります。
この記事では、厚生年金の受給額と月30万円以上を受け取る人の割合、「第3号被保険者」の人数の推移、そして第1子出産後の女性の就業状況を、公的なデータから確認していきます。
なお、2026年度の年金額や平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。本文中の引用部分は引用ブロックで示しています。
- 夫婦2人分の標準的な年金額は月額23万7279円。厚生年金の平均月額は〈全体〉15万289円で、月30万円以上を受け取る人は全体の約0.12%
- 第3号被保険者は約641万人。うち女性が約628万人を占め、前年より6.7%減と5年連続で減少している
- 第1子出産後も53.8%が仕事を継続。ただし非正規を選ぶケースが多く、6歳未満の子がいる家庭の家事・育児時間は妻7時間28分・夫1時間54分
1. 【厚生年金】夫婦2人分の標準額は月23万7279円、月30万円以上は約0.12%
受給額の全体像は、「【厚生年金】2026年6月支給分から「標準的な夫婦世帯」の年金額が4495円アップ!支給日に「60万円(月30万円)以上」受給する人は全体の何%?遺族・離婚時のルールも解説」から要点を引用して確認してみます。
夫婦2人分の標準的な年金額は月額23万7279円となり、年金は2カ月ごとに支給されるため、1回あたりの振込額は47万4558円です。
- 〈全体〉平均年金月額:15万289円
- 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
- 〈女性〉平均年金月額:11万1413円
厚生年金受給者のうち、月額30万円以上を受け取っている人は全体の約0.12%にとどまります。
出所:【厚生年金】2026年6月支給分から「標準的な夫婦世帯」の年金額が4495円アップ!支給日に「60万円(月30万円)以上」受給する人は全体の何%?遺族・離婚時のルールも解説
月30万円以上を受け取る人は1000人に1人程度しかいません。「年金を多くもらっている人」は、思っているよりずっと少数派だということです。
そのうえで注目したいのが、男性16万9967円・女性11万1413円という内訳です。同じ厚生年金でありながら、平均額には5万8554円の開きがあります。厚生年金は加入していた期間の長さと、その間の報酬額で決まる仕組みですから、この差は制度上の男女差ではなく、働き方の積み重ねが数字になったものだといえます。
2. 【第3号被保険者】5年連続の減少、女性は約628万人
国民年金にはいくつかの加入区分があります。その一つである「第3号被保険者」は、厚生年金(公務員などが加入していた旧共済年金を含む)に加入している第2号被保険者の配偶者で、一定の収入条件を満たす人が対象です。
令和6年度末時点では約641万人が該当しています。厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をみると、女性の第3号被保険者の人数は5年連続で減少していることがわかります。
第3号被保険者の総数:約641万人
- 男性:約13万人(+3.1%)
- 女性:約628万人(▲6.7%)
この区分の大きな特徴は、本人が保険料を負担しなくても国民年金に加入した扱いになる点です。費用は厚生年金制度全体で負担する仕組みのため、配偶者個人の保険料が増えるわけではありません。加入手続きも本人ではなく、配偶者の勤務先を通じて行われます。
一方で、保険料を負担しないということは、その期間に2階部分が積み上がらないということでもあります。女性が約628万人と大半を占める構造は、前の章で見た平均額の差と地続きです。
厚生年金・国民年金の平均受給額をより詳しくまとめた一覧はこちらの記事で解説しています。あわせてご参考ください。
【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
2.1 「出産退職」から「継続就業」へ——第1子出産後も53.8%が仕事を継続
厚生労働省が公表する「令和7年版厚生労働白書」をみると、第1子出産をめぐる女性の就業変化が見えてきます。
かつては第1子出産を機に離職する「出産退職」が一般的でしたが、2015〜19年のデータでは53.8%が仕事を継続しており、過半数を超えました。
しかし、仕事を辞めずに済んでも、育児との両立のために「パート・派遣」といった非正規雇用を選択するケースが依然として多いのが実情です。これが結果として、将来受け取る厚生年金額の低迷や、第3号被保険者にとどまる要因の一つとなっています。


