3. 同じ65歳でも、働き方で年金額は3倍近く開く
厚生労働省は年金額の改定と同時に、多様なライフコースに応じた年金額の例も示しています。年金加入経歴を5つのパターンに分け、2026年度に65歳になる人を想定した概算です。
3.1 男性は厚生年金中心か国民年金中心かで11万円以上の差
厚生年金期間が中心だった男性は、平均厚生年金期間39.8年・平均収入50万9000円で月17万6793円です。内訳は基礎年金6万9951円と厚生年金10万6842円になります。
3.2 女性は3パターンとも男性より低めに出る
厚生年金期間が中心だった女性は、平均厚生年金期間33.4年・平均収入35万6000円で月13万4640円です。加入期間は男性と6.4年しか変わりませんが、平均収入の差が厚生年金部分に表れています。
国民年金(第1号被保険者)期間が中心だった女性は月6万1771円、第3号被保険者期間が中心だった女性は月7万8249円です。第3号のほうが高いのは、基礎年金が6万9016円と満額に近いためです。
同じ年に65歳になる人でも、月6万1771円から17万6793円まで開きます。現役時代に厚生年金と国民年金のどちらを中心に加入していたかが、そのまま老後の受給額に表れる形です。
4. 本人が相談に行けないときは、家族が代わりに行ける
自分の年金額を正確に知るには、年金事務所で確認するのが確実です。ただ、体調や移動の都合で本人が窓口に行けないこともあります。
4.1 委任状があれば代理で相談できる
日本年金機構は、本人が年金の相談に行けない場合、家族や友人が代わりに相談することは可能だとしています。必要なのは本人の委任状と、代理人の本人確認ができる書類です。
委任状は「年金相談・手続き委任状」として日本年金機構のウェブサイトからダウンロードできます。本人確認書類は運転免許証やマイナンバーカードなどです。
4.2 本人の基礎年金番号がいる
個人情報を含む年金相談には、本人(委任者)の基礎年金番号が必要です。委任状だけ持って行っても、番号が分からなければ相談は進みません。
また委任状の記入内容に不備がある場合や本人確認ができない場合は、相談や手続きに応じてもらえないことがあります。委任する内容はできる限り具体的に書いておくとよいでしょう。
5. まとめにかえて
2026年度の年金額は、基礎年金1.9%・報酬比例部分2.0%の引き上げになりました。国民年金の満額は月7万608円で、反映されるのは6月支給分からです。
65歳以降の平均月額は厚生年金が14万〜16万円台、国民年金が5万8000〜6万円台で、年齢による大きな差はありませんでした。一方でライフコース別に見ると、同じ65歳でも月6万1771円から17万6793円まで開きます。
平均額はあくまで目安です。自分がいくら受け取れるかは、ねんきん定期便やねんきんネットで確認できます。窓口で詳しく相談したいが本人が行けないという場合は、委任状を用意して家族に代わりに行ってもらうこともできます。
参考資料
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「本人が年金の相談に行けないときは、家族や友人が代わりに相談に行ってもいいですか。」
- 日本年金機構「年金相談や手続きを代理人に委任するとき」
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
中本 智恵