3. 2026年度の年金額はいくらか
収入の柱である年金は、物価や現役世代の賃金動向を踏まえて毎年改定されます。
3.1 国民年金の満額は月7万608円
2026年度の年金額は、前年度から国民年金(基礎年金)が1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%引き上げられました。
国民年金の老齢基礎年金は満額1人分で月7万608円、前年度から1300円の増額です。昭和31年4月1日以前生まれの方の満額は月7万408円になります。
3.2 満額でも単身世帯の支出には届かない
単身無職世帯の支出は月16万1435円でした。国民年金だけで満額の7万608円を受け取っていても、支出の半分に届きません。
現役時代に厚生年金へ加入していた期間が長いほど上乗せは大きくなりますが、それがどのくらいあるかで単身世帯の家計は大きく変わります。
4. 赤字を埋めるもう一つの選択肢
毎月の不足を貯蓄の取り崩しだけで埋めようとすると、いつまでもつかという不安が残ります。実際には、働いて収入を得ているシニアが増えています。
4.1 65歳以上の就業率は25.7%で過去最高
総務省統計局「統計からみた我が国の高齢者」によると、2024年の65歳以上の就業率は25.7%で、前年から0.5ポイント上昇して過去最高を更新しました。
就業者数でみると930万人で、21年連続の増加です。就業者総数に占める65歳以上の割合も13.7%と過去最高になっています。
4.2 60歳代後半は2人に1人が働いている
年齢階級別では、65〜69歳が53.6%、70〜74歳が35.1%、75歳以上が12.0%です。いずれも過去最高の水準になっています。
60歳代後半では約2人に1人、70歳代前半でも3人に1人以上が働いている計算です。単身無職世帯の月2万9980円という赤字は、この年代であれば働くことで埋められる幅でもあります。
4.3 働き方の中心はパート・アルバイト
65歳以上の雇用者(役員を除く)に占める非正規の職員・従業員の割合は76.9%です。そのうちパート・アルバイトが298万人で52.9%を占めます。
現役時代と同じ働き方に戻るというより、時間や日数を抑えた働き方が中心ということです。健康状態に合わせて選べる幅があります。
5. まとめにかえて
65歳以上の単身無職世帯は、実収入13万1456円に対して支出16万1435円で、ひと月2万9980円の赤字でした。収入の約9割は公的年金です。
ただしこの数字には介護費用が含まれず、住居費も月1万1416円と持ち家を前提にした水準です。賃貸で暮らす場合や要介護状態になった場合は、赤字の幅が大きく変わります。
一方で65歳以上の就業率は25.7%と過去最高で、60歳代後半では約2人に1人が働いています。まずは自分の年金見込額と支出を突き合わせ、足りない分を取り崩しで埋めるのか、働いて埋めるのかを早めに考えておくと安心につながります。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 総務省統計局「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」
中本 智恵