65歳を過ぎて一人で暮らすシニアの家計は、毎月どのような状態になっているのでしょうか。

総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯の実収入は月13万1456円、支出は月16万1435円です。差し引くと、ひと月2万9980円の赤字になります。

この記事では、その収支の中身を確認したうえで、統計に含まれていない費用と、赤字を埋めるもう一つの選択肢まで見ていきます。

ココがポイント
  • 65歳以上の単身無職世帯はひと月2万9980円の赤字。収入の約9割が年金
  • この家計収支には介護費用が含まれず、住居費も月1万1416円と低め
  • 65歳以上の就業率は25.7%で過去最高。60歳代後半は約2人に1人が働いている

なお、シニアの貯蓄と家計に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。

【70代の貯蓄・年金・家計のリアル】老後赤字を加速させないためには?投資に頼らない防衛策を徹底解説!
【70代の貯蓄・年金・家計のリアル】老後赤字を加速させないためには?投資に頼らない防衛策を徹底解説!

1. ひと月2万9980円の赤字という現実

まず、収入と支出の実額から確認します。

1.1 収入13万1456円の約9割が年金

65歳以上の単身無職世帯の毎月の実収入は13万1456円です。このうち12万212円が社会保障給付、つまり主に公的年金で占められています。

働いて得る収入がほぼない世帯なので、年金の額がそのまま暮らしの土台になります。年金以外の収入は月1万円あまりということです。

1.2 支出16万1435円の内訳

支出は16万1435円です。内訳は、食費や住居費などの消費支出が14万8445円、税金や社会保険料などの非消費支出が1万2990円になります。

消費支出のうち大きいのは食料4万2545円、その他の消費支出3万1681円、教養娯楽1万6132円、光熱・水道1万5565円、交通・通信1万3601円です。エンゲル係数は28.6%、平均消費性向は125.3%となっています。

差し引きすると、ひと月2万9980円の赤字です。年間ではおよそ36万円を貯蓄から取り崩す計算になります。

収入の帯より支出の帯のほうが長く、その差が毎月の赤字になります1/2

収入の帯より支出の帯のほうが長く、その差が毎月の赤字になります

出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」をもとにLIMO編集部作成

2. この数字に含まれていないもの

ただし、この家計収支のデータには注意すべき点があります。

2.1 介護費用が入っていない

支出の内訳に介護費用は含まれていません。保健医療費として計上されているのは月8388円で、これは通院や薬代などの範囲です。

要介護状態になれば、この金額に介護サービスの自己負担が上乗せされます。健康なうちの家計として見ておく必要があります。

2.2 住居費が月1万1416円と低め

住居費は月1万1416円です。持ち家で住宅ローンを完済している世帯が多く含まれるため、この水準になっています。

賃貸で暮らしている場合は、この項目が大きく変わります。家賃が月5万円なら、赤字は2万9980円ではなく7万円台になる計算です。

統計に表れにくい支出は、住居費だけではありません。この点について、LIMOの記事「【70代の貯蓄・年金・家計のリアル】老後赤字を加速させないためには?投資に頼らない防衛策を徹底解説!」から要点を引用しておきます。

家計調査の「赤字」の中には、大型家電の買い替えや、車の車検・買い替え費用、住宅のメンテナンス費用は十分に含まれていません。

出所:【70代の貯蓄・年金・家計のリアル】老後赤字を加速させないためには?投資に頼らない防衛策を徹底解説!

中本 智恵

月3万円の赤字と聞くと小さく感じますが、これは持ち家で健康な状態を前提にした数字です。前提が崩れたときにどうなるかまで見ておきたいところです。