入社したときの社会保険料は、まだ1か月分の給与を受け取る前に決まります。

健康保険法と厚生年金保険法に、そのための決め方が置かれているからです。

この記事では、資格を取得したときの標準報酬月額の決め方を確認します。

1. 【資格取得時決定】働き始めた時点で決まる

健康保険法第42条と厚生年金保険法第22条は、被保険者の資格を取得した者があるときに、一定の額を報酬月額として標準報酬月額を決定すると定めています。定時決定とは別の場面です。

1.1 報酬の決め方で計算が分かれる

月、週その他一定の期間によって報酬が定められる場合は、資格を取得した日現在の報酬の額をその期間の総日数で割り、30倍に相当する額が報酬月額になります。

日、時間、出来高または請負によって報酬が定められる場合は、資格を取得した月の前1か月間に、同じ事業所で同様の業務に従事し同様の報酬を受ける人が受けた報酬の額を平均した額です。

報酬の形によって、使う数字が変わる1/1

資格を取得したときの標準報酬月額の決め方

出所:e-Gov法令検索「健康保険法」「厚生年金保険法」をもとにLIMO編集部作成

1.2 それでも算定が難しいとき

前の2つで算定することが困難であるものについては、資格を取得した月の前1か月間に、その地方で同様の業務に従事し同様の報酬を受ける人が受けた報酬の額とされています。

また、2つ以上に該当する報酬を受ける場合は、それぞれについて算定した額を合算します。固定給と歩合給が組み合わさっている働き方は、この4つ目に当たります。

2. 決まった額はいつまで使うのか

資格取得時に決めた標準報酬月額には、有効な期間が定められています。

2.1 原則はその年の8月まで

両方の条文の第2項は、決定された標準報酬月額を、被保険者の資格を取得した月からその年の8月までの各月の標準報酬月額とするとしています。

9月からは定時決定で決め直された額に切り替わります。4月に入社した人なら、8月までは入社時の額、9月からは4月から6月の報酬をもとにした額になります。

2.2 6月から12月に入ったときは1年近く続く

同じ第2項には、6月1日から12月31日までの間に資格を取得した者については翌年の8月までとする、という括弧書きが置かれています。

この期間に入社した人は、その年の定時決定の対象になりません。入社時に決まった額が、翌年8月まで使われることになります。

厚生年金の被保険者区分については、下記の記事より一部を引用・参照しています。

「厚生年金とは」2階建て構造だけでは説明しきれない。4つの被保険者区分と共済年金からの一元化の経緯
「厚生年金とは」2階建て構造だけでは説明しきれない。4つの被保険者区分と共済年金からの一元化の経緯を、編集部が公式情報つきで丁寧に整理して解説