7. 【年金の実質価値】月10万円は物価3%で10年後にいくらの価値になるのか
ここでは年金月額10万円(年120万円)が、物価上昇率3%で10年推移した場合の実質的な価値を試算します。いまの10万円で買えるものを基準にした金額です。
年3%は、2022年以降の物価上昇で実際に経験した水準に近い数字です。
7.1 【試算】物価3%が10年続いた場合の実質価値
- 現在の年金:月10万円/年120万円
- 物価上昇率:年3%
- 経過年数:10年
- 実質価値:年89万2913円(月7万4409円相当)
- 目減り:25.6%(月2万5591円相当の減少)
10年後には実質7万4409円相当となり、目減りは25.6%です。月あたり2万5591円分の価値が減る計算になります。
※月10万円が据え置かれたまま物価だけが年3%上がった場合の実質価値です。実際の年金額は毎年度見直されますが、マクロ経済スライドによって上昇率が物価を下回ることもあります。
物価1%なら10年で9.5%の目減りでした。上昇率が3倍になると、10年で4分の1以上が失われます。
7.2 【3%の場合】価値が半分になるのは約23年後
実際には年金額も物価に応じて改定されるため、月7万4409円相当まで落ちる計算どおりにはなりません。ただし改定率が物価上昇率を下回る年もあります。
物価が年3%で上がり続けると、お金の価値が半分になるのは約23年後です。65歳から数えると88歳ごろで、十分に起こりうる期間です。
1%なら約70年、2%なら約35年でした。3%はその半分以下の年数で半減に届きます。
ねんきん定期便で見込額を確かめたうえで、物価の前提を変えて試してみてください。
8. 【まとめ】年金の実質価値は物価3%なら10年で26%目減り
国民年金は6万円以上7万円未満に1715万5059人が集まり、満額に近い層が最多でした。平均は5万9310円です。
厚生年金は全体で15万289円、男性16万9967円、女性11万1413円で、男女差は6万円弱あります。
月10万円の年金は物価3%が10年続くと実質7万4409円相当になります。
もちろん物価高が今後も続くかはわかりません。ただし、昨今の急な物価高で、老後に不安を感じる方もいるでしょう。額面と物価の両方で見ておきたいところです。
参考資料
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金の繰上げ受給」
- 日本年金機構「特別支給の老齢厚生年金」
宮野 茉莉子
