2. 2050年には4人に1人以上へ!増え続ける一人暮らし高齢者
「ひとり暮らしの高齢者が増えている」とはよく聞きます。ただ、どれくらいのペースで増えてきたかまでは、あまり語られないのではないでしょうか。内閣府の高齢社会白書からみてみましょう。
2.1 一人暮らし高齢者は令和2年で男性15.0%・女性22.1%
65歳以上の一人暮らしの人が同じ年代の人口に占める割合は、昭和55年には男性4.3%、女性11.2%でした。それが令和2年には男性15.0%、女性22.1%になっています。男性は40年で3倍以上、女性は2倍近くまで増えた計算です。
さらに令和32年(2050年)には、男性26.1%、女性29.3%になると見込まれています。男女ともに、65歳以上の4人に1人以上がひとりで暮らす姿です。
2.2 2050年には4人に1人以上—ひとりの老後資金と住まいを備える
裏を返せば、これから訪れる高齢期は「誰かと暮らしている前提」では設計しにくくなるということです。とくに男性の伸びが大きく、家事や地域とのつながりを含めた備えが問われてきます。ひとりで暮らす前提に立つと、必要な準備は変わります。
年金の手取り額、住まいの維持費、体調を崩したときの頼り先—この3つを早めに把握しておくことが、ひとりの老後を穏やかに過ごす土台になります。
3. ひとりの老後を穏やかに過ごす!今日からできる3つの備え
ひとりで暮らす前提に立つと、誰かと暮らす場合とは必要な準備が変わってきます。老後を穏やかに過ごすための土台となる、3つのポイントを確認しておきましょう。
一つ目は、年金の「手取り額」を確かめることです。額面から介護保険料や住民税などが引かれるため、実際に使える手取りを起点に生活費を組むと、計画がぶれません。
二つ目は、住まいの維持費を長い目で見積もることです。賃貸なら家賃の継続、持ち家なら修繕・固定資産税。住まいにかかるお金は老後も続くため、あらかじめ資金を分けておくと安心です。
三つ目は、体調を崩したときの「頼り先」を決めておくことです。緊急連絡先、見守りサービス、地域包括支援センターなど、いざというとき相談できる先を把握しておくと、ひとりでも慌てずにすみます。
一人暮らしの高齢者が増えている今、「子どもや家族がいるから、いずれ頼れる」という前提は、少しずつ見直しが必要になっています。ひとりの老後で大切なのは、お金・住まい・健康の3つを、自分の手で組み立てておくことです。まず年金の手取り額を把握し、そこから住まいの維持費を差し引いて、毎月どれだけ自由に使えるかを確かめる。
次に、賃貸か持ち家かに応じて、これから続く住居費を長い目で見積もる。そして、体調を崩したときに相談できる頼り先を、元気なうちに調べておく。この3つが整っていれば、ひとりでも過度に不安がる必要はありません。
60歳代は、その準備を落ち着いて進められる時期です。まずは年金の手取り額を確かめるところから始めてみてください。
4. まとめにかえて
今回は、60歳代おひとりさまの平均貯蓄額(1364万円)と中央値(300万円)を確認しました。準備できた人とそうでない人の差が大きく、実感に近いのは中央値300万円のほうです。
あわせて内閣府の高齢社会白書から、65歳以上の一人暮らしが令和2年で男性15.0%・女性22.1%、2050年には男性26.1%・女性29.3%と、4人に1人以上になる見通しをみました。ひとりの老後は、もはや特別なことではありません。
今日からできることは3つです。まず、年金の手取り額を確かめ、実際に使えるお金を起点に家計を組むこと。次に、賃貸・持ち家それぞれの住まいの維持費を長い目で見積もり、資金を分けておくこと。
そして、体調を崩したときの頼り先(緊急連絡先・見守り・地域包括支援センターなど)を、元気なうちに把握しておくこと。ひとりを前提に備えておけば、この先の暮らしを穏やかに続けていけます。できることから始めていきましょう。
参考資料
村岸 理美
