2026年6月に政府より最新の「高齢社会白書」が公表され、シニア世代の就業率が過去最高水準を更新したことが話題となりました。厳しい残暑が続く8月下旬ですが、今年還暦となる方も多いのではないでしょうか。簡易生命表によると60歳の平均余命(その年齢からあと何年生きられるかの平均)は男性約24年、女性約29年であり、現代の還暦はセカンドライフの新たなスタートラインと言えます。
筆者は元保険のファイナンシャルアドバイザーとして、これまで多くの方の老後資金相談に乗ってきました。60歳という節目に、十分な蓄えがないと焦る方のリアルな声を数多く聞いてきました。だからこそ、誰かと比べるのではなく、自分自身の現状を正しく知ることが老後準備の大切な第一歩だと実感しています。
本記事では、日本の高齢化や就業状況を「人口100人でみた日本」のデータから確認したうえで、1966年生まれの還暦世代2000人を対象とした最新調査をもとに、貯蓄額や投資状況などのリアルなマネー事情、そしてこれからの働き方について詳しく解説します。
1. 日本の人口を100人に置き換えると、65歳以上は29.3人「老齢年金受給者は27.9人」
日本の人口を100人に置き換えると、高齢化や年金制度の現状がよりイメージしやすくなります。
厚生労働省「令和7年版厚生労働白書 100人でみた日本」によると、日本人100人のうち65歳以上は29.3人、そのうち75歳以上は16.8人です。
福祉や年金に関する主な数字をみると、老齢年金受給者は27.9人となっています。
- 老齢年金の受給者:27.9人
- 国民年金の第1号被保険者(自営業・学生など):11.2人
- 第2号等(会社員・公務員など):37.7人
- 第3号被保険者(第2号被保険者の配偶者):5.5人
一方、仕事についている人は100人のうち54.8人で、雇われて働く人は49.5人、自営業者は4.1人です。さらに、週35時間未満の短時間で働いている人は18.7人となっています。日本では高齢者が人口の約3割を占める一方、会社員やパート、自営業などさまざまな働き方をする人が社会保険制度を支えています。
日本では高齢者が人口の約3割を占める一方で、現役世代が年金や社会保障制度を支えています。今後も高齢化が進むなか、働き方や社会保険制度のあり方は重要なテーマとなっていくでしょう。
1.1 60歳代前半の男性8割超、女性6割超が就業中
内閣府「令和7年版高齢社会白書」では、シニア層が社会で活躍し続ける傾向が明確に表れています。令和6年の労働力人口のうち、65歳以上の割合は13.6%を占めており、長期的にも上昇傾向にあります。
年齢階級別の就業率を見ても、60歳代前半(60〜64歳)では男性の84.0%、女性の65.0%が就業しており、還暦を過ぎても非常に多くの方が仕事を持っていることが分かります。
また、就業への意欲も非常に高く、現在収入のある仕事をしている60歳以上の人を対象とした調査では、約3割の人が「働けるうちはいつまでも」働きたいと回答しています。
「70歳くらいまで」など、さらに高い年齢まで働きたいという回答を含めると、全体の約8割もの人が高齢期にも高い就業意欲を持っている様子がうかがえます。


