4. 【年金の生涯受取総額】月5万円を10年受け取ると総額いくらになるのか

ここでは年金月額5万円の人が、65歳から75歳までの10年間受け取った場合を試算します。額面の数字と、手取りに直した数字をあわせて確認します。

年金の話は月いくらで語られがちですが、実際には20年30年と続く収入です。今回は月5万円を10年受け取るケースを取り上げます。

4.1 【試算】月5万円を10年受け取った場合の総額

  • 年金月額:5万円(年額60万円)
  • 受給期間:10年(65歳から75歳)
  • 額面の総額:600万円
  • 手取り換算(額面の87パーセント):522万円
  • 保険料と税金で差し引かれる概算:78万円

年金月5万円を10年受け取った場合の生涯受取総額4/4

年金月5万円を10年受け取った場合の生涯受取総額

出所:LIMO編集部作成

額面の総額は600万円です。5年長く生きるごとに300万円ずつ積み上がっていきます。長く生きるほど受け取る額が積み上がるため、年金は長寿への備えという性格を持ちます。

※手取り換算は額面の87パーセントとした概算で、本ケースでは600万円に対して522万円としました。天引き額は自治体や世帯の状況で変わります。毎年度の年金額改定は計算に含めていません。

押さえておきたいのが、額面と実際の振込額のひらきです。この期間だけで78万円が保険料と税金として差し引かれる計算になります。月あたりでは小さく見える差も、20年30年で積むとまとまった額になります。

4.2 【あと5年長生きすると】総額は300万円増える

逆に5年短ければ300万円少なくなります。ただし年金は貯蓄と違い、早く亡くなったからといって元本が戻るものではありません。何歳まで受け取るかは事前に分からないため、損得よりも生活を支える仕組みとして捉えるほうが実態に合います。

受給期間が5年延びると、額面の総額は600万円から900万円へ、300万円増えます。手取り換算では261万円の増加です。受給が続く限り総額が伸び続ける点は、期間の決まった商品にはない性質です。

月5万円という前提が変われば総額も動きます。自分の見込額はねんきん定期便やねんきんネットで確認できます。まず月額を押さえてから10年分を掛けてみてください。

5. 年金改定と平均受給額データから見えること

2026年度は国民年金1.9%、厚生年金2.0%の増額改定となりましたが、額面と手取りには差があります。60歳代から80歳代の平均受給額も、年代による大きな違いはない一方、厚生年金は男女差・個人差が大きいことが分かりました。ご自身の受給額は、平均値ではなく「ねんきん定期便」等の実額で確認することが欠かせません。

参考資料

中本 智恵