4. 申請手続きの4ステップ

実際に医療費控除を申請するまでの流れは、大きく4つのステップに分かれます。

まず医療機関を受診し、医師に「温泉療養指示書」を作成してもらいます。

次に、認定施設へこの指示書を提出し、指定されたプログラムに沿って7日以上の療養を行います。

療養が終わったら、施設および医師から「温泉療養証明書」の発行を受けます。

最後に、この証明書と利用料の領収書を添えて確定申告を行います。

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温泉療養の医療費控除における申請の4ステップ

LIMO編集部作成

5. 申告できるのは本人だけではない

医療費控除は、必ずしも療養を受けた本人が申告しなければならないわけではありません。

医療費控除の一般的な仕組みとして、本人と生計を一にする配偶者やその他の親族の医療費であれば、実際にその費用を支払った人が、自分の確定申告でまとめて申告することができます。

そのため、後期高齢者(75歳以上)の本人が温泉療養を受けた場合でも、費用を実際に負担した子世代が、自分の確定申告で控除を申請することも可能です。

一般的には、世帯の中でより所得が高く、所得税率も高い人が申告したほうが、控除による還付の効果は大きくなりやすいとされています。

持病のケアやリハビリで温泉療養を検討している後期高齢者の親がいる場合は、家族間で費用を立て替えているなら、誰が申告するのが有利かを一度確認しておくとよいでしょう。

和田直子
もう一つ、知っておくと大変おトクなポイントがあります。施設によっては、温泉利用型施設と、運動(ジムやプールなど)を中心とした「運動健康増進施設」が同じ場所に併設、あるいは連携しているケースがあります。

本来、スポーツジムなどの運動施設の利用料金は医療費控除の対象外です。しかし、国税庁の通達によると、「温泉施設と運動施設を同じ日に利用した場合」は、その運動が効果的な温泉療養に繋がるものとみなされ、なんと運動施設の利用料金もまとめて医療費控除の対象に含めることができます。

同日に併設のジムなどを利用した際は、発行される「温泉療養証明書」にその運動分の料金もしっかり合算されて証明されるか、事前に施設へ確認しておくと、控除のメリットを最大限に活かすことができます。

6. まとめ:制度の対象を正しく理解し、手順を守ることが大切

温泉療養による医療費控除は、持病の緩和やリハビリを目的とする人にとって、家計の助けになる制度です。

ただし、対象になるのはあくまで厚生労働省認定の施設で行う治療目的の療養であり、観光や保養を目的とした温泉旅行とは明確に区別されています。

医師の指示書を利用前に受けること、認定施設を利用すること、概ね1か月以内に7日以上利用することという3つの要件を満たしたうえで、対象になる費用の範囲を正しく把握しておく必要があります。

温泉療養を検討する際は、まずかかりつけ医に相談し、利用したい施設が認定を受けているかどうかを確認することから始めるとよいでしょう。

参考資料

和田 直子