3. 遺族年金生活者支援給付金、月額いくらもらえる?給付額の計算方法
老齢年金生活者支援給付金の給付額が保険料納付済期間などに応じて個人ごとに変動するのに対し、遺族年金生活者支援給付金の給付額は月額5620円で一律となっているのが特徴です。
ただし、2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、この5620円を子の数で割った金額が、それぞれの受給者に支払われる仕組みとなっています。
3.1 3人の子が受給対象者「どうやって分けられる?」
例えば、3人の子が遺族基礎年金を受給している場合は、次のような計算になります。
- 5620円 ÷ 3人 = 1873円(月額、1人あたり)
このように、受給する子どもの人数が増えるほど、1人あたりの給付額は少なくなる仕組みです。
4. 遺族年金生活者支援給付金、全国で約7万7707件が受給中
実際にどのくらいの方がこの給付金を受け取っているのでしょうか。厚生労働省が公表している「令和6年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和7年3月時点の遺族年金生活者支援給付金の受給状況は次の通りです。
- 受給件数:7万7707件
- 給付金総額:月額4億600万円
- 平均給付金額:月額5228円
老齢年金生活者支援給付金(450万4441件)や障害年金生活者支援給付金(217万7166件)と比べると件数は少なく、年金生活者支援給付金全体(781万9978件)の約1%ほどの規模となっています。
4.1 受給者の年齢層と地域分布からみえる特徴
遺族年金生活者支援給付金の受給者を年齢階級別にみると、以下のようになっています。
- 20歳未満:5687件
- 20〜29歳:529件
- 30〜39歳:7881件
- 40〜49歳:3万4072件(最多)
- 50〜59歳:2万7828件
- 60歳以上:1710件
老齢年金生活者支援給付金の受給者が70歳以上を中心に分布しているのに対し、遺族年金生活者支援給付金は40代から50代の受給者が中心です。これは、遺族基礎年金が「子のある配偶者」などを主な対象としているため、働き盛りで子育て中のご遺族を支える給付金としての性格が強く表れているといえます。
また、都道府県別に見ると、受給件数が多い上位5都府県は東京都(6710件)、大阪府(5267件)、神奈川県(4945件)、愛知県(4567件)、埼玉県(4421件)となっており、人口規模の大きい都市部で件数が多い傾向が見られました。
5. 老齢給付金との違いと申請時の注意点
遺族年金生活者支援給付金は、老齢年金生活者支援給付金と同じ「年金生活者支援給付金」の枠組みに含まれる給付金ですが、次のような違いがあります。
- 老齢年金生活者支援給付金:世帯全員の市町村民税非課税が要件のひとつ/給付額は保険料納付済期間等に応じて個人ごとに変動
- 遺族年金生活者支援給付金:世帯の非課税状況は問われず、本人の所得のみで判定/給付額は月額5620円で一律(子が複数の場合は人数で分割)
対象になる可能性がある方には、日本年金機構から請求書(はがき型)が送られてきますので、届いた場合は早めに返送することをおすすめします。
6. まとめにかえて
今回は、遺族年金生活者支援給付金の支給要件や給付額の計算方法、受給状況について解説しました。この給付金は、遺族基礎年金を受給している方のうち、前年の所得が基準額(491万8000円)以下の方に対して、月額5620円を基準に年金に上乗せして支給される大切な制度です。老齢年金生活者支援給付金と異なり、世帯全体の課税状況ではなく本人の所得のみで判定される点が大きな特徴といえます。
突然のライフイベントによる収入の変化は、誰にでも起こり得るものです。国や自治体の支援制度を正しく理解し、もれなく活用していくことは、今後の家計を安定させるための大切な備えとなります。遺族基礎年金を受給されている方やそのご家族は、この給付金の対象になっていないか、一度ご家庭で確認してみることをおすすめします。
遺族年金生活者支援給付金は、世帯全体の課税状況ではなく本人の所得のみで判定されるため、老齢年金生活者支援給付金では対象外だったご家庭でも、受給対象になり得るケースがあります。
これまで数多くの家計相談に携わってきましたが、もらえるはずの給付金を見落としている方は決して少なくありません。少しでも心当たりがある方やご不安な方は、お近くの年金事務所や給付金専用ダイヤルへ一度相談してみると良いでしょう。
参考資料
徳田 椋
