3. 40代の子育て世代に多い「お金が貯まらない」への不安。ファイナンシャルアドバイザー・長井祐人が伝えたいこと
お金が貯まらない、将来が漠然と不安だという声は、40代の子育て世代からよく聞かれます。日々の生活費や子どもの教育費に追われ、自分たちの老後資金の準備にまで手が回らないと感じる方が多いようです。
3.1 40代の子育て世代に多いお悩み相談は「お金が貯まらない中で、どうやって教育資金や老後資金を準備すればいいのか」

最初は、何から手をつければよいのか分からず、ただ漠然とした不安だけを抱えているという方が少なくありません。目の前の家計管理に精一杯で、将来に向けた資産形成の第一歩をどう踏み出せばいいのか迷うという反応をされる方が多いようです。
3.2 【ファイナンシャルアドバイザー・長井祐人が回答】現実的な目標を立て、制度と保障を組み合わせて備える
その上で、老後資金や教育資金など、将来必要となるお金について「いつまでに・いくら必要なのか」という具体的な目標を立てましょう。
資産運用では毎月投資にまわせる金額が小さくても、非課税制度などを上手に活用し、長期間にわたってコツコツと資産を育てることで、将来的に大きな資産につながる可能性があります。
また、病気やケガなど、万が一の事態に備えるためにも、日々の生活を守るための保障も重要となっていきます。
毎月無理なく支払える金額で、貯蓄・投資・保障のバランスを上手に組み合わせていきましょう。
3.3 ポイント1:老後資金の目標額は、働き方や年金の受け取り方で変わる
まず見直したいのは、老後資金の目標設定と働き方・年金の関係です。「年金の受給開始を遅らせたり、長く働いたりすることも、立派な老後対策になるのですね」という気づきの通り、老後資金の目標額は働き方や年金の受け取り方で大きく変わります。シミュレーションを通じて、数千万円規模だと思い込んでいた老後の必要資金が、働き方の工夫次第で数百万円規模まで減らせることに気づくケースは珍しくありません。漠然とした不安を抱える前に、まずは自分にとって現実的な目標額を把握することが、資産形成の第一歩として大切になります。
3.4 ポイント2:非課税制度を活用し、長期的な視点でお金を育てる
そのうえで、目標が見えてくると、次は具体的な準備方法に目が向きます。積立型の保険を検討していた方が、非課税制度のメリットや自由度の高さを知る中で、「今の年齢からできる範囲で、お金を増やす方向に舵を切る必要がある」と考えるようになるケースもあります。制度を活用し、長期的な視点で資産を育てていくことは、将来のインフレリスクなどに備えるうえでも有効な選択肢となります。「将来のお金の価値がどうなるか分からない」という不安に対しては、時間を味方につけてコツコツと運用を続ける視点が、若い頃以上に大切になります。
3.5 《試算》45歳から20年間、毎月1万5000円を年5%で積み立てたら
毎月投資にまわせる金額が小さくても、長期間続けることでどの程度になるのかを試算してみましょう。45歳から65歳までの20年間、毎月1万5000円を年5%で運用できたと仮定した場合の目安です。あくまで一定の前提を置いた試算であり、実際の運用成果を保証するものではありません。
- 積立期間:20年(45歳~65歳)
- 毎月の積立額:1万5000円
- 想定利回り:年5%
- 元本:360万円
- 資産評価額(目安):約609万円(運用益約249万円)
毎月1万5000円という無理のない金額でも、20年間続ければ元本の1.7倍近くまで育つ計算になります。NISA口座で運用した場合、この運用益約249万円には本来かかる20.315%の税金がかかりません。課税口座であれば約50万円が差し引かれる計算です。
3.6 ポイント3:増やすことと守ることをバランスよく考える
また、子育て世代にとっては、自分に万が一のことがあった場合の備えも欠かせません。「自分が働けなくなった時でも、子どもを養えるだけの保障があるのは安心材料です」という声もあるように、資産を増やすことと守ることをバランスよく考える必要があります。運用で資産を増やしつつ、保障機能を持つ保険などを組み合わせることで、不測の事態にも対応できる家計の土台を作ることができます。目的に応じて手段を使い分ける視点が、より安心できる将来の準備につながります。
お金が貯まらない、何から始めればいいか分からないと決めつける前に、長く働くことや年金の工夫、非課税制度の活用、そして万が一の保障を一つずつ整理してみることが、漠然とした不安を解消する出発点になります。
4. まとめ
本記事では、公的年金の2階建て構造を確認したうえで、厚生年金を月額15万円以上受給している人の割合を男女全体・男女別に見てきました。
月15万円以上を受け取っているのは男女全体で49.8%と半数に届かず、男女別では男性68.8%・女性12.3%と大きな開きがあります。
公的年金は老後の生活設計の基盤ですが、平均額をそのまま自分に当てはめることはできません。まずは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」でご自身の見込額を確認するところから始めてみてください。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
- 日本年金機構「国民年金保険料」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 【国民年金+厚生年金】月15万円(年180万円)以上もらう人は何%?平均受給額を一覧で確認!私的年金の見直しで押さえておきたいポイント
- 【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
長井 祐人
