10月は年金の定期支払日がある月にあたり、振込額を確かめる機会でもあります。
厚生年金は現役時代の収入や加入期間によって受給額が変わるため、同じ世代でも受け取る金額には大きな差が生じます。
本記事では、公的年金の2階建て構造を確認したうえで、厚生年金を月額15万円以上受給している人の割合を男女全体・男女別に見ていきます。
なお、公的年金の仕組みや平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
- 公的年金は「国民年金+厚生年金」の2階建て構造で、保険料は労使折半
- 厚生年金を月15万円以上受給しているのは、男女全体で49.8%
- 男女別では男性68.8%に対し、女性は12.3%にとどまる
1. 年金は「国民年金+厚生年金」の2階建て構造
公的年金の基本的な仕組みを、要点を引用して確認しておきましょう。
公的年金の仕組みについては、「【国民年金+厚生年金】月15万円(年180万円)以上もらう人は何%?平均受給額を一覧で確認!私的年金の見直しで押さえておきたいポイント」から要点を引用して確認してみます。
日本の公的年金は、よく「建物の階層」に例えられます。1階部分の国民年金は、日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入を義務付けられ、自営業者、フリーランス、学生、無職の人などが「第1号被保険者」として一律の保険料を納めます。会社員に扶養されている配偶者(年収130万円未満など)は「第3号被保険者」となり、個別の保険料負担はありません。2階部分の厚生年金は、厚生年金保険の適用事業所に勤務する会社員や公務員が加入し(第2号被保険者)、国民年金に上乗せされる形で加入するため、将来は「基礎年金+厚生年金(報酬比例部分)」の2階建てで年金を受け取ることができます。保険料は給与額に応じて変動し、会社と従業員が半分ずつ負担する「労使折半」が大きな特徴です。
出所:【国民年金+厚生年金】月15万円(年180万円)以上もらう人は何%?平均受給額を一覧で確認!私的年金の見直しで押さえておきたいポイント
2. 厚生年金「月15万円(2カ月で30万円)以上」もらう人は何パーセント?
厚生年金の年金額は、現役時代の収入や加入期間によって個人差が出ますが、その実態が気になるところでしょう。
厚生労働省の資料「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(国民年金を含む)の平均年金月額は男女全体で15万289円です。
公的年金は、原則として2か月に一度支給されるため、この平均額で考えると、一度の支給日に約30万円が振り込まれる計算になります。
では、この平均である月額15万円をクリアしている人は、受給権者全体でどのくらいの割合を占めるのでしょうか?
※下記の厚生年金の年金月額には国民年金(老齢基礎年金)部分を含みます。
2.1 【男女全体】厚生年金を月15万円以上もらう人は49.8%
【男女全体】厚生年金の平均年金月額:15万289円
- ~1万円:4万3399人
- 1万円以上~2万円未満:1万4137人
- 2万円以上~3万円未満:3万5397人
- 3万円以上~4万円未満:6万8210人
- 4万円以上~5万円未満:7万6692人
- 5万円以上~6万円未満:10万8447人
- 6万円以上~7万円未満:31万5106人
- 7万円以上~8万円未満:57万8950人
- 8万円以上~9万円未満:80万2179人
- 9万円以上~10万円未満:101万1457人
- 10万円以上~11万円未満:111万2828人
- 11万円以上~12万円未満:107万1485人
- 12万円以上~13万円未満:97万9155人
- 13万円以上~14万円未満:92万3506人
- 14万円以上~15万円未満:92万9264人
- 15万円以上~16万円未満:96万5035人
- 16万円以上~17万円未満:100万1322人
- 17万円以上~18万円未満:103万1951人
- 18万円以上~19万円未満:102万6888人
- 19万円以上~20万円未満:96万2615人
- 20万円以上~21万円未満:85万3591人
- 21万円以上~22万円未満:70万4633人
- 22万円以上~23万円未満:52万3958人
- 23万円以上~24万円未満:35万4人
- 24万円以上~25万円未満:23万211人
- 25万円以上~26万円未満:15万796人
- 26万円以上~27万円未満:9万4667人
- 27万円以上~28万円未満:5万5083人
- 28万円以上~29万円未満:3万289人
- 29万円以上~30万円未満:1万5158人
- 30万円以上~:1万9283人
出所:【国民年金+厚生年金】月15万円(年180万円)以上もらう人は何%?平均受給額を一覧で確認!私的年金の見直しで押さえておきたいポイント
厚生年金を月額15万円以上受給している人は、男女全体の受給権者の半分に満たない49.8%です。厚生年金を受給していない人も含めて計算すると、この割合はさらに低くなります。
2.2 【男女別】厚生年金を月15万円以上もらう人は男性68.8%・女性12.3%
では、男女別に見るとどうでしょう。
【男性】厚生年金の平均年金月額:16万9967円
- ~1万円:3万446人
- 1万円以上~2万円未満:1万257人
- 2万円以上~3万円未満:5404人
- 3万円以上~4万円未満:5185人
- 4万円以上~5万円未満:1万4747人
- 5万円以上~6万円未満:3万9134人
- 6万円以上~7万円未満:13万4214人
- 7万円以上~8万円未満:23万186人
- 8万円以上~9万円未満:26万278人
- 9万円以上~10万円未満:26万99人
- 10万円以上~11万円未満:29万8838人
- 11万円以上~12万円未満:37万6357人
- 12万円以上~13万円未満:45万6689人
- 13万円以上~14万円未満:54万9337人
- 14万円以上~15万円未満:65万7775人
- 15万円以上~16万円未満:76万4713人
- 16万円以上~17万円未満:85万3718人
- 17万円以上~18万円未満:92万6462人
- 18万円以上~19万円未満:95万5327人
- 19万円以上~20万円未満:91万3998人
- 20万円以上~21万円未満:82万204人
- 21万円以上~22万円未満:68万2702人
- 22万円以上~23万円未満:50万9842人
- 23万円以上~24万円未満:34万1191人
- 24万円以上~25万円未満:22万4720人
- 25万円以上~26万円未満:14万7563人
- 26万円以上~27万円未満:9万2856人
- 27万円以上~28万円未満:5万4156人
- 28万円以上~29万円未満:2万9810人
- 29万円以上~30万円未満:1万4935人
- 30万円以上~:1万8801人
【女性】厚生年金の平均年金月額:11万1413円
- ~1万円:1万2953人
- 1万円以上~2万円未満:3880人
- 2万円以上~3万円未満:2万9993人
- 3万円以上~4万円未満:6万3025人
- 4万円以上~5万円未満:6万1945人
- 5万円以上~6万円未満:6万9313人
- 6万円以上~7万円未満:18万892人
- 7万円以上~8万円未満:34万8764人
- 8万円以上~9万円未満:54万1901人
- 9万円以上~10万円未満:75万1358人
- 10万円以上~11万円未満:81万3990人
- 11万円以上~12万円未満:69万5128人
- 12万円以上~13万円未満:52万2466人
- 13万円以上~14万円未満:37万4169人
- 14万円以上~15万円未満:27万1489人
- 15万円以上~16万円未満:20万322人
- 16万円以上~17万円未満:14万7604人
- 17万円以上~18万円未満:10万5489人
- 18万円以上~19万円未満:7万1561人
- 19万円以上~20万円未満:4万8617人
- 20万円以上~21万円未満:3万3387人
- 21万円以上~22万円未満:2万1931人
- 22万円以上~23万円未満:1万4116人
- 23万円以上~24万円未満:8813人
- 24万円以上~25万円未満:5491人
- 25万円以上~26万円未満:3233人
- 26万円以上~27万円未満:1811人
- 27万円以上~28万円未満:927人
- 28万円以上~29万円未満:479人
- 29万円以上~30万円未満:223人
- 30万円以上~:482人
月額15万円以上の年金を受給している割合は、男性で68.8%に上るのに対し、女性ではわずか12.3%にとどまっています。
2.3 《試算》男女の平均額の差は、25年間の受取総額でいくらになる?
男性16万9967円、女性11万1413円という平均月額の差は、受給期間をかけ合わせるとどの程度の規模になるのでしょうか。65歳から90歳までの25年間で試算してみましょう。あくまで一定の前提を置いた試算であり、実際の受給額を保証するものではありません。
- 男性(月16万9967円):16万9967円×12カ月×25年=約5099万円
- 女性(月11万1413円):11万1413円×12カ月×25年=約3342万円
- 両者の差:約1757万円(月5万8554円の差×12カ月×25年)
月額では5万円台の違いでも、25年という単位で積み上げると1700万円を超える差になります。年金額の改定は織り込んでいないため、実際にはこれより大きくなる可能性もあります。
この差は、現役時代の収入水準や厚生年金への加入期間の違いが積み重なった結果です。とくに就業を中断した期間がある場合、その影響は老後まで続くことになります。
公的年金は老後の生活設計の基盤となりますが、それだけで十分かを把握することが大切となります。ぜひ「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を確認し、早めの資金計画を立てるようにしましょう。




