4. お金持ちに共通する3つの習慣とは?

ここまで、富裕層・超富裕層がどのくらい存在し、どのような要因で増えているのかを、データの側面から確認してきました。

では、実際に資産を築いている人たちには、どのような共通点があるのでしょうか。筆者の経験から、共通して見られた習慣を3つに整理してご紹介します。

4.1 習慣①お金を増やすより「管理」を重視する

資産を大きく築いている方ほど、「どうやって増やすか」よりも、「どう管理するか」を重視している印象がありました。

保有資産全体の状況を定期的に確認し、資産配分が大きく崩れていないか、必要以上のリスクを取っていないかを常に意識しています。収入や資産が増えても、お金の流れを把握し続ける姿勢は変わりません。

資産形成では運用成績だけに注目しがちですが、長く資産を守り育てるためには、日頃の管理を習慣化することも重要だと感じました。

4.2 習慣②短期の値動きに振り回されず、長期目線で判断する

市場が大きく下落すると、不安から資産を売却してしまう人も少なくありません。しかし、資産を築いている方の多くは、一時的な値動きだけで判断することはほとんどありませんでした。

事前に立てた資産計画や運用方針に沿って行動し、市場環境が変化しても冷静に判断する姿勢が共通して見られました。

短期的な利益を追いかけるよりも、10年、20年先を見据えて資産を育てる考え方が、結果として大きな資産形成につながっているケースを数多く見てきました。

4.3 習慣③税制や制度の変化を積極的に活用する

資産を築いている方は、お金を増やす方法だけでなく、税制や公的制度にも高い関心を持っています。

NISAやiDeCoなどの制度改正があれば早めに情報を収集し、自分に合った活用方法を検討するほか、相続や贈与なども含めて、資産全体を見据えた対策を考えている方が多くいました。

制度は知っているかどうかで差が生まれやすい分野です。積極的に情報を取り入れ、その都度見直していく姿勢が、長期的な資産形成にも良い影響を与えていると感じています。

加藤 聖人
3つの習慣に共通しているのは、特別な才能ではなく「継続する姿勢」だという点です。証券会社にいた頃も、派手な値動きを追う方より、地道に管理を続ける方の方が結果的に資産を大きく育てていました。

5. まとめ

「富裕層」「超富裕層」が増加している背景には、株価上昇や円安による資産価値の増加、相続・贈与による資産の世代交代などがあります。

なかでも、「いつの間にか富裕層」という新しいタイプが存在することから、富裕層の増加が必ずしも本人の強い意識だけで生まれているわけではないことがわかります。

一方で、実際に資産を築いている人たちには共通する習慣もあり、市場環境の後押しがあったとしても、こうした習慣を積み重ねてきたからこそ、その恩恵を実際の資産として取り込めたと考えられるでしょう。

富裕層を目指すかどうかにかかわらず、まずは自分の資産状況を正確に把握し、リスクの取り方や使える制度について学ぶ姿勢を持つことが資産形成の第一歩になるのではないでしょうか。

参考資料

加藤 聖人