5. 年金だけで「ゆとりある老後」は可能?リアルな不足額
年金は国が国民の老後生活を守るためにある制度ですが、年金だけで本当に過ごせるのか疑問が残ります。
生命保険文化センターが公表する「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」の結果では、夫婦2人の「ゆとりある老後生活費」には平均39万1000円/月が必要となっています。
「最低限の日常生活費」でも平均23万9000円/月が必要とされており、前章で計算した「会社員同士の共働き夫婦」の目安額(約31万1400円)でも、「ゆとりある老後生活費」には約8万円足りないことになります。
「会社員の夫+専業主婦の妻」の目安額(約25万5000円)では、最低限の日常生活費を少し上回る程度で、ゆとりある生活には約13万円以上足りないことになり、自営業夫婦のケースなどではさらに厳しくなることが予想されます。
6. 現役世代が今からできること:「資産寿命」と「健康寿命」を延ばす備え
日々の物価高を実感する現役世代にとって、将来、年金だけでゆとりある老後を過ごせるかは切実な問題です。
預貯金や投資、年金など、ご自身のポートフォリオのバランスを最適化し、「資産寿命」を延ばす視点を持っておきたいものです。
また、健康寿命を延ばして長く働き、年金の受給額を増やすことも、長生きリスクへの強力な備えになります。
まずは「ねんきん定期便」で現在地を確認し、「老後にいくら必要か」を逆算して、ご自身のペースに合わせた備えを、できることから始めてみましょう。
参考資料
著者
二種外務員資格(証券外務員二種)記者/編集者/校閲者/
ニ種外務員資格(証券外務員二種)・相続診断士・認知症介助士・終活ガイド資格1級保有。早稲田大学第一文学部史学科卒。学参系編集プロダクションなどで校閲・編集・執筆を経験。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集を担当。
総務省「家計調査」・厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」などの一次資料に基づくデータ記事の執筆に強み。紙媒体での経験に加え、家族の介護を通じて得た知見を生かしながら、「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。(2026年2月12日更新)
監修者
LIMO編集部年金解説班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、地方自治体の公務員や生命保険会社等の金融機関にて勤務経験が豊富な編集者が中心となり、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障制度などをテーマに、丁寧で読者にとってわかりやすい記事の情報発信を行っています。
LIMO編集部年金解説班に所属する編集者は日本生命保険相互会社出身の村岸理美、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか等のファイナンシャルアドバイザー経験者等で構成されており、表彰歴多数の編集者も複数在籍しており、豊富な金融知識をもとにした記事に定評があります。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。(最新更新日:2026年6月17日)