4. まとめにかえて

今回は、高齢社会白書や国税庁の一次資料を基に、日本の相続・贈与におけるマクロな最新動向について解説しました。相続税の課税割合が過去最高の10.4%に達する中 、実家のお金の話を親に切り出すべきか悩む方も少なくありません。

しかし、金融経済教育推進機構(J-FLEC)が公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、70歳代・二人以上世帯の52.6%が「子供に財産を残したい」と考えていることが分かっています。その内訳を見ると、老後の世話や家業の有無に関わらず残したいという積極的な意向が34.2%を占める一方で、「子どもはいるが人生を楽しみたいので使い切りたい」という世帯も23.2%存在します。

このように親世代の考え方も多様化しているからこそ、事前の確認を怠ったために意図せぬ税負担という「損失」を被るリスクは避けたいところですね。

税制が変化した今、生前贈与を賢く活用すべきか、将来の相続に備えるべきか、まずは実家のご両親の意向を一度フラットに確認してみてはいかがでしょうか。「最近ニュースでよく見るから、うちも将来の選択肢を一度整理してみない?」という客観的な視点での対話が、お互いの希望を叶え、大切な資産を最も効率的に次世代へ繋ぐ確実な一歩となります。

参考資料

村岸 理美