6月も終盤を迎え、今年もまもなく半分が過ぎようとしています。1年の折り返し地点に差し掛かるこの時期は、日々の暮らしや将来のマネープランについて、「年間」の収支を改めて意識する良いタイミングかもしれません。
老後の柱となる公的年金制度は、1階部分の「国民年金」と2階部分の「厚生年金」からなる「2階建て構造」が特徴です。
今回は最新のデータをもとに、厚生年金の受給実態や高齢者の意識から、これからのライフプランを考えます。
1. 【厚生年金】年間180万円(月額15万円)以上を受給する人は全体の何パーセントいる?
厚生労働省の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金(国民年金を含む)の平均月額は男女全体で15万289円です。男女別では男性が16万9967円、女性が11万1413円となっており、現役時代の雇用形態や就業期間の違いが背景にあります。
※下記の厚生年金の年金月額には国民年金(老齢基礎年金)部分を含みます。
実際に年換算で180万円(月額15万円)以上を受給している割合を見ると、男性は68.8%に上るのに対し、女性はわずか12.3%にとどまるのが現状です。将来の生活設計を現実的に進めるためにも、まずは「ねんきん定期便」などで自身の見込み額を確認し、早めの資金計画を立てることが大切です。
2. 【高齢者世帯の収入依存度】4割以上が年金のみで暮らす現実
老後の生活を支える柱である年金ですが、高齢者世帯におけるその依存度は非常に高いものとなっています。厚生労働省の「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」各種世帯の所得等の状況を見てみると、公的年金・恩給を受給している高齢者世帯のうち、総所得に占める年金・恩給の割合が「100%(つまり年金のみ)」という世帯は43.4%にのぼります。
さらに「80〜100%未満」の世帯(16.4%)を合わせると、年金を受給している高齢者世帯の約6割が、定期的な収入の8割以上を年金に頼って生活しているのが現状です。このように、現役時代の就労所得や財産所得といった「定期的な収入源」を持たない世帯が多いことは、老後の生活水準が年金額にいかに直結しているかを表していると言えるでしょう。定年後のライフプランを安定させるためにも、年金以外の準備について今から考えておくことが大切になりそうです。
3. 【シニアの生活意識】満足度は4カ国中トップではない?世界と比較して見えた高い就労意欲
内閣府「令和8年版高齢社会白書」の国際比較調査から、日本の高齢者の生活実態と意識の特徴が見えてきました。これまでに見てきた「厚生年金の平均年金月額」を踏まえ、これからの高齢期の暮らし方や選択肢を考えるためのデータを紹介します。
3.1 生活満足度は4カ国の中で最も低い水準に
「現在の生活に満足しているか」という問いに対し、日本の65歳以上の約8割(79.2%)が「満足している」または「まあ満足している」と回答しました。一見高い数字ですが、他国と比較すると最も低い水準にとどまっています。
- スウェーデン:96.6%
- アメリカ:93.6%
- ドイツ:88.5%
- 日本:79.2%
3.2 際立つ就労意欲、約4割が「仕事を続けたい」
一方で、「収入を伴う仕事をしたいか」という問いには、欧米3カ国では7割以上が「辞めたい(仕事をしたくない)」と回答したのに対し、日本は39.0%が「仕事をしたい(続けたい)」と回答しました。経済的な補填や社会とのつながりを求め、リタイア後も働くことへ高い意欲を持つ日本のシニア層の現状が浮き彫りとなっています。
4. まとめにかえて
日本の公的年金は現役時代の働き方で差が生まれ、平均額とされる月額15万円に届かない人が多く存在します。また、高齢者世帯の約6割が収入の大部分を年金に依存している一方で 、日本のシニア層は他国に比べ高い就労意欲を持っています。
年金は老後生活の貴重な土台ですが、それだけで十分と言い切れないケースも少なくありません。早い段階から将来の受給額を把握し、就労による収入や現役時代からの資産形成を上手にライフプランに組み込んでいきましょう。




