ダスキン(4665)は8月10日、2027年3月期第1四半期決算とともに、通期業績の上方修正と増配を発表しました。翌11日は「山の日」で東証が休場だったため、発表後初の取引となった12日は好業績と増配を好感した買いが優勢に。株価は前営業日比2.43%高(+109円)の4,603円で取引を終えました。
今回は、「もっちゅりん」をはじめとするミスタードーナツ事業の好調が牽引した第1四半期決算のポイントを解説します。
1. この記事を読むとわかる3つのポイント
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1Q営業利益は前年同期比79.0%増、フードグループがミスタードーナツの人気商品で11.3%増収 -
「もっちゅりん」再販が想定を上回る反響を呼び、一部店舗で品薄が発生 -
株主優待は2026年2月に大幅拡充を発表済み、300株以上保有の優待額が最大3.6倍に
2. 1Q決算のポイント
2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)の連結業績は、売上高499億2,600万円(前年同期比5.6%増)、営業利益37億7,600万円(同79.0%増)、経常利益47億7,600万円(同55.6%増)、純利益28億9,000万円(同53.8%増)となりました。
セグメント別(開示順)では、訪販グループの売上高283億5,100万円(同2.4%増)、営業利益19億7,900万円(同146.7%増)。前年同期に「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」会場清掃の受注があった反動でケアサービス事業は減収となったものの、主力のクリーンサービス事業とその他事業の増収がこれを上回りました。営業利益の大幅な伸びは、この増収効果に加え、前年同期に一時的に重かった「ケース付きモップクリーナー」(レンタル契約商品で、出荷時に原価を先行計上する仕組み)の原価先行計上の影響が今期は和らいだことも寄与しています。
一方、フードグループは売上高179億4,400万円(同11.3%増)、営業利益34億7,300万円(同22.2%増)と、訪販グループを上回るペースで伸びています。その他は売上高42億5,100万円(同1.1%増)、営業利益2億1,300万円(同2.1%減)と、規模も動きも限定的でした。
2.1 主役は「もっちゅりん」再販
フードグループの伸びを支えたのは、主力のミスタードーナツです。全店合計のお客様売上が増加し、1店あたりの客単価・客数ともに前年同期を上回りました。4〜5月には祇園辻利の宇治抹茶を使った「宇治抹茶ドーナツシリーズ」や、台湾ドーナツをヒントにした新食感の「サクぽふん」を展開。6月には、前年に創業55周年記念として発売し大きな反響を呼んだ“もっちゅり食感”のドーナツ「もっちゅりん」を今期も再発売しました。「想定を遥かに上回る反響」だったとして、需要の強さがうかがえます。
3. 通期業績予想・配当予想を上方修正
同社は同日、通期業績予想を上方修正しました。修正の理由について同社は、フードグループの主力ミスタードーナツ事業が期初予想を上回る好調な推移を続けていることに加え、全社費用が減少する見込みとなったことを挙げています。訪販グループ・その他の予想は変更していません。
連結売上高は2,029億円(5月15日発表の2,015億円から14億円上乗せ)、営業利益は101億円(同90億円から11億円上乗せ)、経常利益は140億円(同129億円から11億円上乗せ)、純利益は106億円(同98億円から8億円上乗せ)としています。
あわせて配当予想も、中間60円・期末75円の合計年135円(同125円から10円の増配)に修正しました。
なお、2026年7月28日発生の熊本地震の影響については、現時点で業績への影響額を算定中で、この修正には反映されていません。下半期に向けたリスク要因として留意しておきたいポイントです。
4. 株主優待は300株以上のホルダーを中心に大幅拡充へ
同社は2026年2月6日、株主優待制度の拡充を発表しています。300株以上を保有する株主の優待額が最大3.6倍に増えるという内容でした。適用は2027年3月末基準日からで、直近に控える2026年9月末基準分は現行通りです。
ここまでを振り返ると、1Qはフードグループ(ミスタードーナツ)の好調を主因に増収増益となり、話題性のある新商品の再発売がそれを後押ししました。通期業績予想・配当予想も上方修正されましたが、熊本地震の影響は未反映という留保もあります。
次のページでは、株主優待拡充の詳細と「もっちゅりん」の話題性、8月12日終値をもとにしたバリュエーション評価を解説します。