5. 株主優待、300株以上の保有者は優待額が最大3.6倍に

同社は2026年2月6日開催の取締役会で、株主優待制度の変更を決議しました。基準日は毎年3月末日・9月末日の年2回で、変更後の内容は2027年3月末日時点の株主名簿に基づく優待から適用されます(直近の2026年9月30日基準はまだ現行内容のままです)。

優待は、優待券「500円券」を保有株式数や継続期間に応じてもらえるというものです。

500株を3年以上継続保有する株主は、現行の2,500円分から9,000円分へと3.6倍に拡充される計算です。継続保有期間の判定は3月末・9月末の株主名簿に連続して記載されているかで数えるため、株式を追加取得しても継続保有期間はリセットされません。

優待券はミスタードーナツやモスバーガー(資本・業務提携先、一部の店舗を除く)、メリーメイド(家事代行)、ターミニックス(害虫駆除)など、ダスキン系列の幅広いサービスで使えます。

※株主優待の内容や条件、詳細は公式サイトでご確認ください。

6. なぜ「もっちゅりん」はここまで反響を呼んだのか

「もっちゅりん」は2025年、ミスタードーナツの創業55周年記念商品として発売され、独特の“もっちゅり食感”が話題になりました。今期(2026年6月)に同じ商品を再販したところ、「想定を遥かに上回る反響」があり、一部店舗で混雑・品薄が生じたとされています。一度火がついた人気商品を再投入することで、新商品開発コストをかけずに客数・客単価を押し上げられた格好で、フードグループの増収要因の中でも特に効果が大きかったと位置づけられます。

7. バリュエーション評価:8月12日終値でダスキン株はどんな水準にあるのか

終値4,603円をもとに計算すると、PER(会社予想、通期EPS225.15円)は20.45倍、配当利回り(会社予想、年135円)は2.93%となります。

8. 記者コメント

決算の数字そのものは、訪販グループの価格改定効果とフードグループの新商品効果が両輪になっていますが、話題性という点では「もっちゅりん」の再販が際立ちます。

同社の売上構成を見ると、2025年3月期はミスタードーナツを含むフードグループが全体の約35%を占めており、今回の通期業績予想の上方修正もこのフードグループの上振れが主因でした。新商品の発売やコラボといった話題は単なる商品ニュースにとどまらず、業績そのものを左右しかねない規模感を持っている点は、この銘柄を追ううえで見落とせないポイントです。

一方、株主優待の拡充は、300株以上を長期保有する株主への手厚さが際立つ内容で、少額保有層よりも中規模以上の個人株主に向けた「長期保有インセンティブ」としての性格が強い制度変更といえそうです。適用は2027年3月末からとまだ先ですが、優待の獲得を考えるなら、一度にまとめて取得するのではなく、株価の下落局面を見ながら段階的に買い増していくという発想も選択肢になりそうです。

参考資料

【免責事項】

  • 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の株式の購入や売却について助言や推奨するものではありません。本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。投資判断は最新の決算資料や市場動向などをご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
  • 株主優待の内容や条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください

高原 祥子