2026年9月1日(火曜日)から、日本年金機構は令和8年度分の「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」を、新たに対象となる可能性のある人へ順次発送します。
この請求書が届いた場合は、必要事項を記入して提出することで、要件を満たせば年金生活者支援給付金を受け取ることができます。
実は、年金の収入や所得が一定の基準に満たない場合に、年金に上乗せして給付金が支給される「年金生活者支援給付金」という制度があるのをご存知でしょうか。
この記事では、どのような方が対象になるのか、いくら受け取れるのか、そしてどのような手続きが必要なのか、制度の基本から分かりやすく解説していきます。
※本記事は一部のデータを「年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説」から引用のもと作成しています。
1. この記事の3つのポイント
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「年金生活者支援給付金」とは、所得額が基準額を下回る年金受給者の生活をサポートするための制度。 -
実際に支給された年金生活者支援給付金の平均月額は、老齢年金生活者支援給付金で4146円。 -
厚労省が実施した調査では、高齢者世帯の55.8%が生活が「苦しい」と感じています。
2. 年金生活者支援給付金の基本概要
「年金生活者支援給付金」とは、公的年金などの収入やその他の所得額が一定の基準額を下回る年金受給者の生活をサポートするための制度です。
この給付金は一度きりのものではなく、支給要件を満たす限り、年金に上乗せされる形で継続的に受け取ることができます。
受給している基礎年金の種類によって、以下の3つに分けられます。
- 老齢年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
初回の受け取りには申請が必要ですが、その後は条件を満たし続ける限り、2カ月に一度、定期的に支給されます。
3. 年金生活者支援給付金の支給対象となる条件
この章では、年金生活者支援給付金を受け取るための具体的な支給要件について、詳しく見ていきましょう。
3.1 障害・遺族年金生活者支援給付金の対象者
「障害年金生活者支援給付金」と「遺族年金生活者支援給付金」の支給対象となるには、それぞれ障害基礎年金または遺族基礎年金を受給していることが前提です。
加えて、前年の所得が479万4000円以下である必要があります。
ここで重要な点は、所得の計算に障害年金や遺族年金といった非課税収入は含まれないということです。
また、扶養している親族の人数に応じて所得の基準額が引き上げられることも覚えておくとよいでしょう。
3.2 老齢年金生活者支援給付金の対象者
一方、「老齢年金生活者支援給付金」の支給要件は少し異なり、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。
- 65歳以上で老齢基礎年金を受給している
- 同じ世帯に住む全員の市町村民税が非課税である
- 前年の公的年金などの収入額と、給与所得や利子所得といったその他の所得の合計額が、昭和31年4月2日以降生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれの方は80万6700円以下である
老齢年金生活者支援給付金の場合は、ご自身の所得だけでなく世帯全体の状況も要件に含まれる点に注意が必要です。こちらの判定においても、障害年金や遺族年金などの非課税収入は所得に含まれません。
また、所得が基準額をわずかに超えたために給付の対象外となる方との公平性を保つため、「補足的老齢年金生活者支援給付金」という仕組みも用意されています。
この対象となるのは、昭和31年4月2日以降に生まれた方で所得合計額が80万9000円を超え90万9000円以下の方、または昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下の方です。
「世帯全員が住民税非課税」という条件を満たす世帯は、この給付金以外にもさまざまな優遇措置を受けられる可能性があります。年収のボーダーラインについてはこちらの記事もご参考ください。
【住民税非課税世帯】給与・年金の収入基準《ボーダーラインはいくら?》知っておきたい5つの優遇制度
4. 【2025年3月時点】年金生活者支援給付金の支給額は?給付金額別の件数データ
厚生労働省が公表している「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を基に、実際に支給された年金生活者支援給付金の平均月額を確認してみましょう。
2025年3月時点での平均給付月額(※)は、老齢年金生活者支援給付金で4146円、障害年金生活者支援給付金で5727円、遺族年金生活者支援給付金で5228円となっています。
※2025年3月時点で認定されている方の平均給付金額です。
給付金額ごとの給付件数は、以下のようになっています。
4.1 老齢年金生活者支援給付金:給付額ごとの件数
- 1000円未満:7万5101件
- 1000円以上2000円未満:31万4450件
- 2000円以上3000円未満:59万9166件
- 3000円以上4000円未満:108万2177件
- 4000円以上5000円未満:103万4357件
- 5000円以上6000円未満:104万5423件
- 6000円以上7000円未満:18万5291件
- 7000円以上8000円未満:9万3265件
- 8000円以上9000円未満:4万4796件
- 9000円以上1万円未満:1万9891件
- 1万円以上:1万524件
4.2 障害年金生活者支援給付金:給付額ごとの件数
- 5000円以上6000円未満:149万3700件
- 6000円以上7000円未満:68万3466件
4.3 遺族年金生活者支援給付金:給付額ごとの件数
- 1000円未満:ー
- 1000円以上2000円未満:607件
- 2000円以上3000円未満:1569件
- 3000円以上4000円未満:ー
- 4000円以上5000円未満:ー
- 5000円以上:7万5531件
同じ老齢年金生活者支援給付金でも、平均は4146円ですが、月1万円以上受け取っている方もいます。この受給額の差がどのような仕組みで生まれるのかについては、こちらの記事でくわしく解説しています。あわせてご参考ください。
9月から順次届く「年金生活者支援給付金の請求書」目安はいくら?平均月4249円なのに「月1万円超」もらえる人の共通点
5. 年金生活者支援給付金の請求手続きと流れ
ここでは、年金生活者支援給付金を受け取るための請求手続きについて解説します。
すでに公的年金を受給中の方のうち、新たに給付金の支給対象となった方へは、日本年金機構から請求書を兼ねたお知らせが郵送されます。
5.1 基礎年金をすでに受給している場合の手続き
- 毎年9月の第1営業日以降、順次「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届きます。
- 2025年1月以降に65歳になり、日本年金機構からこの請求書が届いた方は、電子申請も利用可能です。
- 電子申請を利用しない場合は、請求書に必要事項を記入し、切手を貼って郵送します。
なお、支給要件に該当するかどうかをすぐには確認できない方には、「年金生活者支援給付金請求書(A4型)」と「所得状況届」が送付されます。
次に、これから年金自体を請求する方の手続きの流れを見てみましょう。
5.2 老齢基礎年金をこれから請求する場合の手続き
- 65歳になる3カ月前に送られてくる「年金請求書(事前送付用)」に、給付金の請求書が同封されています。
- 必要事項を記入の上、年金の受給を開始する年齢の誕生日前日以降に、年金の請求書と一緒に年金事務所へ提出します。
※障害年金または遺族年金の生活者支援給付金の対象者で、これから初めて基礎年金を請求する方は、給付金の請求書が自動では送られてきません。年金の請求手続きと同時に、ご自身で年金事務所や市区町村の窓口にて給付金の請求手続きを行う必要がありますのでご注意ください。
5.3 給付金の支給日について
年金生活者支援給付金は、公的年金と同様に偶数月の15日に支給されます。もし15日が土日や祝日にあたる場合は、その直前の金融機関営業日に前倒しで支給されます。
例えば、10月15日に支給されるのは、8月分と9月分の2カ月分です。
年金を受け取っているのと同じ口座に支給されますが、通帳には年金と給付金がそれぞれ別の項目として記録されます。
利用できる制度を正しく理解し、少しでもゆとりのある暮らしにつなげていただければと思います。







