6. 自営業者やフリーランス向け。国民年金を増額できる「付加年金」とは

働き方が多様化する現代において、厚生年金に加入しないフリーランスや自営業として働く人が増えています。

しかし、国民年金のみの加入となる場合、老後に受け取る年金額は少なくなる傾向があります。

国民年金の受給額を増やす方法の一つとして、今回は「付加保険料の納付」について解説します。

国民年金付加年金制度13/13

国民年金付加年金制度

出所:日本年金機構「国民年金付加年金制度のお知らせ」

付加年金とは、毎月の国民年金保険料(2026年度は1万7920円)に「付加保険料(月額400円)」を上乗せして納付することで、将来受け取る年金額を増やせる制度です。

6.1 付加保険料を納付できる人

  • 国民年金の第1号被保険者
  • 65歳未満の任意加入被保険者

6.2 付加保険料を納付できない人

  • 国民年金保険料の納付が免除(法定免除、全額免除、一部免除)または猶予(納付猶予、学生納付特例)されている方
  • 国民年金基金に加入している方

個人型確定拠出年金(iDeCo)と付加年金は、原則として同時に加入できます。

ただし、iDeCoの掛金額によっては併用できないケースもあるため注意が必要です。

6.3 付加保険料を40年間納付した場合のシミュレーション

仮に、20歳から60歳までの40年間、付加保険料を納付し続けた場合を考えてみましょう。

65歳から受け取れる年間の「付加年金額」は、「200円 × 付加保険料を納付した月数」で計算できます。

  • 40年間で納付した付加保険料の総額:19万2000円(400円 × 480カ月)
  • 65歳以降に毎年受け取れる付加年金額:9万6000円(200円 × 480カ月)

40年間で納付した付加保険料の合計は19万2000円です。

一方、毎年9万6000円が年金に上乗せして支給されるため、受給開始から2年間で納付した保険料の元が取れる計算になります。

7. まとめ:平均額との比較だけでなく、自身の受給見込額に基づいた計画が重要

この記事では、現在の高齢者世代が受け取っている年金額の実態について、データを基に詳しく見てきました。

厚生労働省の発表によると、2026年度の年金額は前年度と比較して、国民年金が1.9%増の月額7万608円、厚生年金(※)が2.0%増の月額23万7279円に改定されました。

※夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的なモデルケースの金額

近年の物価上昇などにより生活コストが増加している状況で、年金額が見直され増額となることは、受給者にとって心強い要素といえるでしょう。

しかし、年金額の増加率が必ずしも物価の上昇率を完全に補えるわけではないため、「年金だけでは生活が厳しい」と感じる高齢者も少なくないのが現状です。

また、老後の経済的な不安は、毎月の年金額の多寡だけにとどまりません。

例えば、介護費用や住宅のリフォームなど、数百万円から数千万円規模の臨時出費が発生するリスクにも備えておく必要があります。

たとえ年金生活を始める前に十分な預貯金があったとしても、こうした想定外の大きな支出によって、資産が大きく減少してしまう可能性も考えられます。

まずはご自身の具体的な老後のライフプランを策定し、それに基づいた将来への資産形成を始めることが大切です。

※当記事は再編集記事です。

参考資料

鶴田 綾