4. 老後資金の準備に「個人年金保険」をおすすめしない理由

一方、保険会社の個人年金保険は優先度が低めです。というよりも、不要と考えて差し支えありません。

そもそも保険とは、「自分一人では備えられないリスク」に備えるための仕組みです。火災や死亡といった予測不能な損失に対して、多くの人が掛金を出し合って助け合うことが、保険本来の原理原則です。しかし老後の生活費の準備は、自分で計画的に積み立てれば対応できる問題であり、保険という器に乗せる必然性はほとんどありません。

加えて、個人年金保険には保険会社の運営コストや代理店手数料が上乗せされているため、同じ金額を投じても純粋な資産運用と比べて効率が大きく劣ります。予定利率も低水準でインフレへの対応力がなく、中途解約すれば元本割れするリスクもあります。

税制面でも見劣りします。個人年金保険料控除による所得控除は最大でも年4万円にとどまり、掛金が全額控除されるiDeCoとは比較になりません。老後の上乗せを目的とするなら、コストが透明で税制優遇の大きいiDeCoや新NISAを優先するほうが、合理的な選択といえるでしょう。