4. 立ちはだかる資産形成の壁。最大の不安は「元本割れ」
「NISAなどで協力して資産形成をしたい」という意欲は高い一方で、実際の行動にはまだ壁があるようです。
株式会社NEXERが行った「資産形成に関するアンケート」(2026年)によると、現在のリアルな状況が見えてきます。
現在、資産形成を「行っていない」と答えた人が71.4%にのぼり、約7割の人がまだ行動に移せていません。また、行っている人のうち、活用している方法の第1位は「NISA(66.4%)」となっており、新NISA制度の浸透がうかがえます。
では、なぜ多くの方が資産形成に踏み出せないのでしょうか。
資産形成について現在抱えている課題や不安を尋ねたところ、次のような結果となりました。
- 第1位:元本割れのリスクが怖い(36.4%)
- 第2位:長期的に続けられるか不安(20.3%)
- 第3位:商品が多すぎて選べない(17.5%)
「インフレに対抗しないとお金の価値が下がっていく」という危機感はあるものの、「失敗して資産を減らしたくない」「生活費で手一杯で回す余裕がない」といった本音が見え隠れします。
資産形成の必要性を感じつつも、知識不足やリスクへの恐怖から、最初の一歩を踏み出せずにいる人が多いのが現状です。
5. まとめにかえて
今回は、30歳代の貯蓄状況と、お金に対する価値観の変化について見てきました。
データが示す通り、30歳代は住宅ローンなどの負債を抱えやすい時期であり、決して家計に余裕があるわけではありません。
しかし同時に、物価高を背景に「夫婦で協力して資産形成に取り組もう」という意識が確実に高まっている世代でもあります。
資産形成の最大の敵の一つは、「知識不足による不安」と言えるでしょう。
もちろん、投資には元本割れのリスクが伴います。まずは病気や失業などの万が一に備え、半年〜1年分の生活費を「生活防衛資金」として現金(預貯金)で確保しておくことが大前提です。
その上で、当面使う予定のない余裕資金を使い、新NISAなどの非課税制度を活用して長期・分散・積立を前提としたインデックス投資などを選ぶことで、リスクをある程度コントロールしながら資産を育てていくことは可能です。
住民税の金額が決定し、ボーナスが支給されるこの時期は、お金について考える絶好のタイミングです。
まずは、ご夫婦やパートナーと「将来どんな暮らしがしたいか」「毎月(あるいはボーナスから)いくらなら無理なく貯蓄や投資に回せるか」を話し合うことから始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
著者
二種外務員資格(証券外務員二種)記者/編集者/校閲者/
【保有資格】
ニ種外務員資格(証券外務員二種)・相続診断士・認知症介助士・終活ガイド資格1級保有。
【経歴】
二種外務員資格や相続診断士などの資格を保有し、「お金とくらし」にまつわる情報を専門的かつ丁寧に発信する金融メディア編集者・ライター。
早稲田大学第一文学部史学科卒。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。また、大手人材派遣会社における採用管理業務などの実務経験もある。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集を担当。
総務省「家計調査」・厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」などの一次資料に基づくデータ記事の執筆に強み。
専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事執筆をおこなう。紙媒体での経験に加え、家族の介護を通じて得た知見を生かしながら、「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。(2026年7月9日更新)
監修者
マネー編集部年金班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、地方自治体の公務員や生命保険会社等の金融機関にて勤務経験が豊富な編集者が中心となり、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障制度などをテーマに、丁寧で読者にとってわかりやすい記事の情報発信を行っています。
マネー編集部年金班に所属する編集者は日本生命保険相互会社出身の村岸理美、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか等のファイナンシャルアドバイザー経験者等で構成されており、表彰歴多数の編集者も複数在籍しており、豊富な金融知識をもとにした記事に定評があります。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。(最新更新日:2025年6月8日)