2. 生成AIブームの裏側を支える「半導体検査」の強み
直近の決算発表において、浜松ホトニクスは通期業績予想の上方修正を発表しました。
中間期の実績は売上高1,124億円(前年同期比+5.4%)、営業利益100億円(同-7.0%)と「増収減益」でしたが、通期予想では売上高2,320億円、営業利益200億円の「増収増益」へと力強く修正されています。
この上方修正を牽引したのが、まさに先述の「産業用」分野です。産業用の通期見通しは、前年比で+160億円の大幅な増加となり、そのうち当初計画からの上方修正分だけでも+113億円に上ります。
なぜ産業用がこれほど伸びているのでしょうか。泉田氏は決算短信の記述を紐解き、その答えが「生成AI」にあると説明します。
実は、浜松ホトニクスが展開する複数の事業が、生成AI向け半導体の製造や検査のプロセスに深く入り込んでいます。具体的には以下の3つの事業が該当します。
このように、データセンター向けサーバーの基板検査(マイクロフォーカスX線源)、半導体そのものの製造検査(イメージセンサー)、さらにはシリコンウエハの切断工程(ステルスダイシングエンジン)に至るまで、浜松ホトニクスの光技術が不可欠な役割を果たしています。
AI半導体の需要が爆発的に伸びれば、それを「作る」「検査する」ための装置需要も連動して増加するため、同社は強力な恩恵を受ける構造になっています。
この好調さは受注動向にも明確に表れています。
泉田氏の分析によれば、2024年の第1四半期を基準とした場合、足元の受注フローは約1.7倍にまで急拡大しています。
また、年間の受注進捗を見ても、前年と比較して約1四半期分も前倒しで受注を獲得している状態です(なお、受注残の規模自体は高水準を維持しつつ横ばい傾向にあります)。
生成AIという巨大なメガトレンドの裏側で、それを物理的に支える「検査・製造」のインフラとして、浜松ホトニクスの光技術がフル稼働していることがわかります。

