1. ノーベル賞級の「光技術」を持つBtoB企業・浜松ホトニクス

浜松ホトニクスは1953年に静岡県浜松市で創業した企業です。一般消費者向けの製品を作っていないBtoB(企業間取引)専業メーカーであるため、日常生活でその名前を耳にする機会は少ないかもしれません。

しかし、その技術力は世界的に高く評価されています。

インタビュワーが同社の知名度について尋ねると、泉田氏は次のようにその凄さを表現します。

「『ニュートリノ』っていう素粒子を感知する機械を作った会社なんですよ。これがノーベル賞級だったっていう話で、光を扱うということに関しては世界最高峰の技術を持った会社です」

かつてノーベル物理学賞の受賞対象となった研究施設「スーパーカミオカンデ」において、素粒子を捉えるための巨大な光電子増倍管(PMT)を納入したのが浜松ホトニクスです。

「光を扱う」という一点において、他社の追随を許さない圧倒的なポジションを築いています。

では、具体的にどのような事業で利益を生み出しているのでしょうか。同社のビジネスは、主に以下の4つのセグメントに分かれています。

浜松ホトニクスのセグメント別通期売上計画1/4

浜松ホトニクスのセグメント別通期売上計画

出所:浜松ホトニクス「2026年9月期 第2四半期 決算説明会資料」を基にイズミダイズム作成

最大の売上規模を誇るのが「光半導体事業(882億円)」であり、次いで「電子管事業(773億円)」が続きます。これに「画像計測機器事業(367億円)」「レーザ事業(256億円)」を加えた4本柱で構成されています。

泉田氏は、同社を分析する上で「どの事業か」だけでなく「どの業界(用途)向けか」を見ることが重要だと指摘します。同社の製品は、産業用、医用・バイオ、分析、学術研究、計測、輸送など、多岐にわたる分野で使われています。

この中で、売上の最大規模を占めるのが「産業用」です。泉田氏はこの産業用分野の特性について、機関投資家時代の経験を踏まえて次のように解説します。

「産業ってやっぱり設備投資の状況とかがあるんで結構サイクルがあるんですけども、ここが結構ブレるんですよ」

医療や学術向けの需要が比較的安定しているのに対し、産業向けの需要は顧客企業の設備投資サイクルに大きく左右されます。

そのため、浜松ホトニクスの業績や株価のボラティリティ(変動幅)を読み解くには、この「産業用」の動向を注視することが鍵となるのです。