1. ノーベル賞級の「光技術」を持つBtoB企業・浜松ホトニクス
浜松ホトニクスは1953年に静岡県浜松市で創業した企業です。一般消費者向けの製品を作っていないBtoB(企業間取引)専業メーカーであるため、日常生活でその名前を耳にする機会は少ないかもしれません。
しかし、その技術力は世界的に高く評価されています。
インタビュワーが同社の知名度について尋ねると、泉田氏は次のようにその凄さを表現します。
「『ニュートリノ』っていう素粒子を感知する機械を作った会社なんですよ。これがノーベル賞級だったっていう話で、光を扱うということに関しては世界最高峰の技術を持った会社です」
かつてノーベル物理学賞の受賞対象となった研究施設「スーパーカミオカンデ」において、素粒子を捉えるための巨大な光電子増倍管(PMT)を納入したのが浜松ホトニクスです。
「光を扱う」という一点において、他社の追随を許さない圧倒的なポジションを築いています。
では、具体的にどのような事業で利益を生み出しているのでしょうか。同社のビジネスは、主に以下の4つのセグメントに分かれています。
最大の売上規模を誇るのが「光半導体事業(882億円)」であり、次いで「電子管事業(773億円)」が続きます。これに「画像計測機器事業(367億円)」「レーザ事業(256億円)」を加えた4本柱で構成されています。
泉田氏は、同社を分析する上で「どの事業か」だけでなく「どの業界(用途)向けか」を見ることが重要だと指摘します。同社の製品は、産業用、医用・バイオ、分析、学術研究、計測、輸送など、多岐にわたる分野で使われています。
この中で、売上の最大規模を占めるのが「産業用」です。泉田氏はこの産業用分野の特性について、機関投資家時代の経験を踏まえて次のように解説します。
「産業ってやっぱり設備投資の状況とかがあるんで結構サイクルがあるんですけども、ここが結構ブレるんですよ」
医療や学術向けの需要が比較的安定しているのに対し、産業向けの需要は顧客企業の設備投資サイクルに大きく左右されます。
そのため、浜松ホトニクスの業績や株価のボラティリティ(変動幅)を読み解くには、この「産業用」の動向を注視することが鍵となるのです。
著者
金融・経済YouTubeチャンネル「イズミダイズム」
「イズミダイズム」は、株式会社モニクルリサーチが運営する金融・経済YouTubeチャンネルです。フィデリティ投信や日本生命でポートフォリオマネージャーや証券アナリストとしての勤務経験のある元機関投資家の泉田良輔が、プロの視点で金融や経済に関する様々なニュースの解説や、資産形成に役立つトピックをお届けします。新NISAの開始やインフレを背景に、個人の資産運用への関心が高まる中、機関投資家と個人投資家の「視点の違い」や、経済ニュースの裏側にある「構造」をロジカルに解説します。(最新更新日:2026年1月30日)
監修者
株式会社モニクルリサーチ
代表取締役/日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)
株式会社モニクルリサーチ代表取締役。その他に株式会社モニクル取締役COO、株式会社モニクルフィナンシャル取締役COOも務める。LIMO&ファイナンス編集長。東京科学大学大学院非常勤講師。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修了(同研究科最優秀賞受賞)
1. 経歴
2013年に株式会社ナビゲータープラットフォーム(現:株式会社モニクルリサーチ)を原田慎司(現同社取締役)らとともに共同創業。2013年に個人投資家向け金融経済メディア「Longine(ロンジン)」を立ち上げ、編集長に就任。Longineの立ち上げの経緯はBloombergにおいて「体力勝負アナリスト辞めます、元外資マン個人に長期投資指南」として掲載され大きな反響を呼ぶ。投資情報のサブスクモデルを確立する。その後、株初心者向けネットメディア「株1」、2015年にはくらしとお金の経済メディア「LIMO」の前身となる「投信1」を立ち上げる。2026年6月に専門家と実務家が情報発信をする金融経済ニュースサイト「LIMO&ファイナンス」を立ち上げ編集長に就任。
それ以前は、日本生命・国際投資部で外国株式ファンドマネージャー、フィデリティ投信・調査部や運用部にて10年に渡ってインターネット、電機(半導体・民生・産業エレクトロニクス)、機械(ロボットやセンサー企業中心)といったテクノロジーセクターの証券アナリストや中小型株ファンドのアシスタント・ポートフォリオ・マネージャー(最年少で就任)として従事。
2. 専門・研究領域
慶応義塾大学商学部卒業。国際金融及びコーポレート・ガバナンスを専攻。アジア通貨危機、昭和金融恐慌などの金融パニックのメカニズムを金融政策や金融機関への規制の観点から研究。それらの内容は「昭和金融恐慌からの教訓 平成恐慌になにをどう生かすべきか」(三田商学研究学生論文集)として発表。
3. 著書
・『機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資』(ダイヤモンド社)
・『テクノロジーがすべてを塗り変える産業地図』(クロスメディア・パブリッシング)
・『銀行はこれからどうなるのか』(クロスメディア・パブリッシング)
・『Google vs トヨタ 「自動運転車」は始まりにすぎない』(KADOKAWA)
・『日本の電機産業 何が勝敗を分けるのか』(日本経済新聞出版社)
4. 寄稿や講演他
「日経BizGate」での連載「泉田良輔の新・産業鳥瞰図」や「現代ビジネス」、「東洋経済オンライン」、「プレジデント」などへの寄稿や対談も多数。対談記事例としては「【未来予想】ブロックチェーン革命が、「半沢直樹」の世界に終わりを告げる」や「【未来予想】アマゾンとビットコインが、次世代の「銀行」になる理由」(いずれもNewsPicks)、「米独に遅れる日本の自動運転、自動車も電機の二の舞に?」(週刊ダイヤモンド)。海外ジャーナリストからインタビューされることも多く、Financial TimesやThe Economist、Bloombergにおいて自動車や金融業界についての国内外産業動向コメントも発信している。
講演会や動画での情報発信も盛んに行っており、NewsPicksのTHE UPDATE、日経ビジネススクール、慶應丸の内キャンパス、慶應義塾SDM、アカデミーヒルズなどでも講義を行う。またNewsPicksのNewSchoolではプロジェクトリーダーとして「本当に初心者のための資産運用」を開催。
最終更新日:2026年6月26日