初夏の風が心地よい2026年6月初旬、これからのライフプランや老後の家計について考えてみませんか。60歳を過ぎても働く人や年金生活に入る人を支える公的給付は種類が豊富ですが、実は「自分から手続きしないと1円ももらえない」という共通の注意点があります。今回は、厚生労働省や日本年金機構の公表資料をもとに、60歳・65歳以上のシニアに関わる5つの給付金と、知っておきたい制度改正の影響について解説します。
1. 申請しないと1円ももらえない!働くシニア・求職者を支える雇用保険給付3選
働きながら、または失業状態のシニアを支える雇用保険の給付は3種類あります。窓口はすべてハローワークで、いずれも本人の申請が出発点です。
1.1 再就職手当:基本手当の残日数に応じて一時金で受け取れる
再就職手当は、雇用保険の基本手当(失業給付)を受給している人が早期に安定した職業に就いた場合に、残った日数の一部を一時金で受け取れる制度です。所定給付日数を3分の1以上残していることが支給条件となります。支給率は、残日数が3分の2以上で基本手当日額×残日数の70%、3分の1以上3分の2未満なら60%です。
例えば、基本手当日額6000円で残日数90日(3分の2以上残し)であれば、6000円×90日×70%=37万8000円が一時金で振り込まれる計算です。再就職先で1年以上勤続できる見込みがあることも要件となっています。
1.2 高年齢雇用継続給付:60歳以降の賃金低下を補う
高年齢雇用継続給付は、60歳以上65歳未満の被保険者が、60歳到達時と比べて賃金が下がった場合に支給されます。雇用保険の被保険者期間が通算5年以上あることが基本条件です。
2025年4月1日施行の改正で、支給率の上限が従来の15%から10%に縮小されました。賃金が60歳到達時の61%以下まで下がった月は支給率10%、61%超75%未満なら段階的に逓減する仕組みです。
たとえば60歳到達時の賃金が月30万円だった人が、60歳以降に月18万円(60%)となった場合、18万円×10%=月1万8000円が上乗せされます。
1.3 高年齢求職者給付金:65歳以上の失業者に一時金
高年齢求職者給付金は、65歳以上の高年齢被保険者が離職して求職活動を行う場合に、一時金として一括支給される制度です。離職時の被保険者期間が1年未満なら基本手当日額の30日分、1年以上なら50日分が振り込まれます。
65歳以上は老齢年金との併給が認められているため、老齢年金を受給しながら高年齢求職者給付金も受け取れる点も特徴です。基本手当(失業給付)のように所定給付日数を分割で受け取る形ではなく、まとまった金額が一度に支給されます。


