3. 【75歳以上 後期高齢シニア夫婦】年金収入だけで暮らせるのか?平均受給額から考える
次に確認したいのが、リタイア後の家計を支える「年金」と「貯蓄」の関係です。
後期高齢者夫婦の収入を見ると、その大部分を公的年金が占めています。
3.1 2026年度の年金は「6月15日支給分」から増額へ
年金収入を考えるうえで押さえておきたいのが、今年度の年金額の改定です。2026年度(令和8年度)の公的年金は、前年度から国民年金が「1.9%」、厚生年金が「2.0%」の引き上げ(増額改定)となりました。
年金は原則として「偶数月の15日」に前月と前々月の2カ月分が後払いで支給されます。
そのため、この増額改定された新しい年金額が実際に口座へ振り込まれるのは、4月分・5月分が支払われる「6月15日(月)」の支給日からとなります。
では、実際のシニア世代は毎月いくら年金を受け取っているのでしょうか。ここでは、75歳以上の年齢層ごとの平均的な年金月額について見ていきましょう。
年金額は、「国民年金(老齢基礎年金)のみを受給するケース」と「厚生年金(※)を受給するケース」に分けて整理します。なお、厚生年金の金額には、老齢基礎年金分が含まれている点には注意が必要です。
※この記事では、民間企業などに勤務していた方が受け取る「厚生年金保険(第1号)」を「厚生年金」として解説します。
3.2 【年金リスト】75歳~90歳以上「厚生年金・国民年金」5歳刻みの平均年金月額
厚生年金
- 75歳~79歳:15万1377円
- 80歳~84歳:15万7689円
- 85歳~89歳:16万5486円
- 90歳以上:16万4027円
国民年金
- 75歳~79歳:5万9346円
- 80歳~84歳:5万8454円
- 85歳~89歳:5万9066円
- 90歳以上:5万5633円
例えば、夫が厚生年金、妻が国民年金を受給している夫婦世帯の場合、75~79歳の平均額を単純に合計すると、毎月の年金収入はおよそ21万円(※)となります。
この金額は、家計調査で示されている「社会保障給付」(月20万7623円)とほぼ同程度の水準です。
ただし、この年金額をそのまま自由に生活費へ充てられるわけではありません。実際には所得税や住民税のほか、介護保険料や医療保険料などの非消費支出が差し引かれます。
老後の家計を考えるうえで大切なのは、額面上の年金額だけを見るのではなく、税金や保険料を差し引いた後の「手取り額」を把握することです。現役を引退した後も税や社会保険料の負担は続くため、その点は事前に理解しておきたいところです。
※75~79歳の平均年金月額を合算した目安額(厚生年金:月15万1377円、国民年金:月5万9346円)
3.3 年金からも天引きされるお金がある!
ここで改めて押さえておきたいのが、受け取る年金がそのまま全額手元に残るわけではないという点です。
年金からは所得税や住民税に加え、介護保険料や後期高齢者医療保険料などが原則として天引きされます。
現役を退いた後も、税金や社会保険料の負担が完全になくなるわけではありません。
そのため年金額を確認する際は、「額面金額」だけではなく、実際に使える手取りベースで考えることが重要になります。
続いて、75歳以上世帯がどの程度の貯蓄を保有しているのか、その実態を見ていきます。
