2. 2026年度の年金額改定:国民年金は+1.9%、厚生年金は+2.0%で4年連続の増額

公的年金の支給額は、物価や賃金の変動を反映して、毎年度改定が行われています。

2026年度においては、老齢基礎年金(満額)が前年度と比較して1.9%増額されました。

6月15日支給分(4月分・5月分)より、増額改定された年金額が適用されます。

厚生年金のモデル世帯における受給額も引き上げられ、これで4年続けての増額改定となります。

  • 国民年金(老齢基礎年金(満額)):7万608円(1人分 ※1)
  • 厚生年金:23万7279円(夫婦2人分 ※2)

※1:昭和31年4月1日以前に生まれた方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額7万408円(対前年度比+1300円)となります。

※2:夫が平均的な収入(賞与を含む月額換算で平均標準報酬45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準を示したものです。

国民年金のみを受給する場合、満額(※3)でも月額は約7万円です。

仮に繰下げ受給(※4)を利用して受給開始を上限の75歳まで遅らせたとしても、月額は13万円には及びません。

※3 国民年金(老齢基礎年金)の満額:国民年金の保険料を480カ月納付した場合に、65歳から受け取れる年金額を指します。

※4 繰下げ受給:老齢年金の受給開始時期を66歳から75歳までの間で遅らせる制度です。「繰下げ月数×0.7%」の増額率が適用され、75歳で受給を開始した場合は84%増額されます。

3. 国民年金だけでの生活は可能か?高齢単身世帯の家計収支をデータで確認

2026年度の国民年金(老齢基礎年金)の満額は月額7万608円ですが、「年金収入だけで老後の生活は送れるのか」という不安を持つ方は少なくないでしょう。

ここでは、実際の高齢者世帯の家計状況を参考に、老後生活で必要となる支出のレベルを見ていきます。

総務省が公表した「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、2025年における65歳以上の単身無職世帯の実収入は月平均で13万1456円でした。

このうち、年金を中心とする社会保障給付が12万212円で、収入の約9割を構成しています。

平均的な家計収支「65歳以上の単身無職世帯」3/6

平均的な家計収支「65歳以上の単身無職世帯」

出所:総務省「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」

一方で、消費支出は月額14万8445円です。

これに税金や社会保険料などの非消費支出1万2990円を加えると、収入だけでは足りず、差額として約2万9980円が不足する計算になります。

支出項目を見ると、最も大きな割合を占めるのが「食料費」で28.7%、続いて「その他の消費支出」が21.3%、「教養娯楽費」が10.9%、「光熱・水道」が10.5%となっています。

生活費には食費や住居費のほか、医療費や交際費といった多様な支出が含まれることがわかります。

国民年金のみを受給している場合、満額でも月額約7万円であるため、実際の生活費との間には大きな隔たりが生まれる可能性があります。

では、厚生年金を含めた場合、シニア世代は一人あたり平均でどのくらいの年金を受け取っているのでしょうか。

次の章で、厚生年金受給者の平均額や受給額の分布を詳しく見ていきます。