7. 【老後夫婦世帯】高齢化によって変化する家計構造の特徴

ここまで見てきたように、公的年金だけでは家計収支が均衡しにくい状況が続くなか、収入源を複数持つ高齢世帯も増えています。

老後の生活基盤が年金中心である点は変わらないものの、それに加えて働いて収入を得たり、資産から収益を得たりするケースも広がっています。

近年では、定年後も再雇用や再就職によって働き続ける人だけでなく、自営業や業務委託など、比較的柔軟な働き方を選択する高齢者も増加しています。

実際に、多くのシニアがどのように家計を支えているのかを確認していきましょう。

7.1 65歳以降も働く人は増えている

内閣府「令和7年版高齢社会白書」によると、65歳以上の就業者数は年々増えています。シニア世代の就業率を見ても、この傾向ははっきりと表れています。

高齢になるにつれて体力面への配慮は必要になるものの、これまでの経験や専門知識を活かせる仕事では、70歳前後、あるいはそれ以上の年齢でも働き続ける例は珍しくありません。

また、働き方も多様化しており、フルタイム勤務だけでなく、短時間勤務や期間限定の仕事など、自分に合った形で働くケースが増えています。

7.2 小さな収入でも家計に与える影響

老後の収入補完は、必ずしも大きな金額である必要はありません。パート収入や不動産収入、配当収入など、比較的小規模な収入であっても、年金に上乗せされることで家計の赤字を軽減できる可能性があります。

生活費すべてを補うほどではなくても、毎月数万円の追加収入があるだけで、貯蓄の取り崩しペースを抑えやすくなります。その結果、資産寿命を延ばしやすくなる点も重要なポイントです。