3.1 【2025年度】GPIFの運用状況をチェック
2025年度の運用実績は、きわめて好調に推移しました。
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の「2025年度第3四半期運用状況(速報)」によると、2025年10月から12月までの3カ月間(第3四半期)だけで、収益率は+5.84%を記録し、収益額は+16兆1878億円に達しました。
国内外の株価上昇や円安進行が追い風となり、2025年度の累計(4月〜12月)では、収益率が16.25%、収益額は約40兆8410億円という大きな成果を上げています。
この好調な運用により、2025年12月末時点の運用資産総額は293兆4276億円へと大きく増加しました。
実際の資産構成割合は、国内債券25.29%、国内株式24.69%、外国債券24.67%、外国株式25.34%となっており、基本ポートフォリオである「各資産25%」の方針に沿って、バランスの取れた運用が維持されていることがわかります。
市場での運用を本格化した2001年度以降の累積収益額は、+196兆3721億円にもなります。
これは、GPIFが長期的な運用目標として掲げる「名目賃金上昇率+1.9%」という基準を、現状の実績が大きく上回っていることを示しています。
市場には短期的な価格変動がつきものですが、定められた資産構成割合を維持しながら長期・分散投資を徹底することにより、着実に資産を成長させているといえるでしょう。
4. 年金額改定とGPIFの運用実績から考える老後資金
2026年度の年金額は増額改定されたものの、公的年金だけでゆとりある老後生活を送れる人は一部に限られるのが実情です。その一方で、年金制度の基盤を支えるGPIFが、累計で196兆円を超える運用収益を上げているという事実は、将来への安心感につながる心強い要素といえるでしょう。
まずはご自身の年金受給見込額を確認することから始めてみてはいかがでしょうか。「年金に加えて、どのような準備が必要か」を考えるうえで、GPIFの堅実な運用実績を一つのポジティブな情報として捉え、将来設計を前向きに進めていきたいものです。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)「年金積立金の管理・運用のしくみ」
- LIMO「厚生年金、年間240万円(月額20万円)以上の受給者は何%?年金の運用資産「総額293兆円超」個人でもマネしたいGPIF流「王道の資産配分」とは?」
横野 会由子

