2. ジャパンディスプレイの株価が急騰した「対米投資ニュース」の背景

そんな低位株の中で、最近大きな注目を集めているのがジャパンディスプレイ(JDI)です。

同社は、日本の大手電機メーカー(日立、キヤノン、パナソニック、東芝、ソニー)の中小型液晶パネル製造部門を統合し、政府系ファンドの主導で設立された歴史ある企業です。

しかし、長らく株価は低迷し、地面を這うようなチャートを描いていました。それが直近になって突然、出来高を伴って急騰する局面がありました。

インタビュワーがその理由を尋ねると、泉田氏は「対米投資に関するニュース」が引き金になったと解説します。

日本政府とアメリカのトランプ政権との間で対米投資の枠組みが議論される中、アメリカ国内での液晶パネル工場の運営をJDIに打診したという報道が飛び出したのです。

アメリカ市場において、安全保障上の観点から中国製の液晶パネルを避ける動きがある中、高い技術力を持つ日本製のパネル、すなわちJDIに白羽の矢が立つのではないかというシナリオです。

しかし、当時はあくまで「打診」の段階であり、何も決定していない中で株価が急騰した理由について、泉田氏は市場のメカニズムを次のように分析します。

「株はいつも言ってる『期待』でできてるから、打診があったってことは将来的にこのジャパンディスプレイが運営を任されるんじゃないか、みたいな期待があった」

株式市場は、事実が確定する前に「将来こうなるかもしれない」という期待感だけで資金が向かう性質を持っています。

特に低位株の場合、こうしたポジティブなニュースが出ると、前述した「パーセンテージの動きやすさ」を狙う短期資金が一気に流入し、株価が急激に跳ね上がるのです。

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