7. 【75歳以上 後期高齢シニア夫婦】資産は何年もつ?老後支出を踏まえた試算
これまで見てきたように、75歳以上の後期高齢シニア夫婦の家計は、平均すると毎月約2万円の赤字となっています。
この不足分は、貯蓄を取り崩すことで補われています。
月2万円の赤字は、年間では約24万円に相当します。この水準が続くと仮定した場合、平均貯蓄額2362万円は単純計算で約98年分にあたります。
しかし、この試算をそのまま当てはめるのは現実的とは言えません。
7.1 想定に含まれていない「老後特有の支出」
家計調査の支出には、次のような費用は十分に反映されていません。
- 入院や手術に伴う自己負担
- 介護サービスの利用料
- 施設入所時の初期費用や月額費用
こうした支出が発生すると、赤字額は一時的に数万円、場合によっては十数万円規模に膨らむこともあります。
その結果、貯蓄の取り崩しペースは大きく加速することになります。
さらに、2362万円という数値はあくまで平均値です。貯蓄が平均を下回る世帯では、赤字を補える期間はより短くなります。
7.2 「平均があるから安心」とは言えない
老後の家計を考える際には、月々の収支だけでなく、貯蓄が何年分の赤字に耐えられるのかという時間軸の視点が欠かせません。
平均値を前提にした楽観的な見通しではなく、自身の家計条件に即した現実的なシミュレーションを行うことが重要です。
著者
マネー編集部家計班は、株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、教育資金の計画や家計管理に精通した編集者が中心となり、文部科学省や各自治体などの公開情報等をもとに、奨学金をはじめとする教育資金や各種給付金、家計の見直しなど、読者のくらしに直結する情報をタイムリーにお届けしています。
マネー編集部家計班に所属する編集者は、日本生命保険相互会社出身の村岸理美、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやかなどの資産運用アドバイザー経験者等で構成されています。トップセールスで多数の表彰歴を持つ編集者など、表彰歴多数の編集者も複数在籍。各々がFPとして若年層から富裕層までの相談経験があり、家計管理や資産運用、老後資金のアドバイスなど、豊富な経験と知識に基づき読者に正確な記事を届けています。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。(最新更新日:2026年5月1日)
監修者
二種外務員資格(証券外務員二種)記者/編集者/校閲者/
【保有資格】
ニ種外務員資格(証券外務員二種)・相続診断士・認知症介助士・終活ガイド資格1級保有。
【経歴】
二種外務員資格や相続診断士などの資格を保有し、「お金とくらし」にまつわる情報を専門的かつ丁寧に発信する金融メディア編集者・ライター。
早稲田大学第一文学部史学科卒。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。また、大手人材派遣会社における採用管理業務などの実務経験もある。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集を担当。
総務省「家計調査」・厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」などの一次資料に基づくデータ記事の執筆に強み。
専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事執筆をおこなう。紙媒体での経験に加え、家族の介護を通じて得た知見を生かしながら、「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。(2026年7月9日更新)