7. 【75歳以上 後期高齢シニア夫婦】資産は何年もつ?老後支出を踏まえた試算

これまで見てきたように、75歳以上の後期高齢シニア夫婦の家計は、平均すると毎月約2万円の赤字となっています。

この不足分は、貯蓄を取り崩すことで補われています。

月2万円の赤字は、年間では約24万円に相当します。この水準が続くと仮定した場合、平均貯蓄額2362万円は単純計算で約98年分にあたります。

しかし、この試算をそのまま当てはめるのは現実的とは言えません。

7.1 想定に含まれていない「老後特有の支出」

家計調査の支出には、次のような費用は十分に反映されていません。

  • 入院や手術に伴う自己負担
  • 介護サービスの利用料
  • 施設入所時の初期費用や月額費用

こうした支出が発生すると、赤字額は一時的に数万円、場合によっては十数万円規模に膨らむこともあります。

その結果、貯蓄の取り崩しペースは大きく加速することになります。

さらに、2362万円という数値はあくまで平均値です。貯蓄が平均を下回る世帯では、赤字を補える期間はより短くなります。

7.2 「平均があるから安心」とは言えない

老後の家計を考える際には、月々の収支だけでなく、貯蓄が何年分の赤字に耐えられるのかという時間軸の視点が欠かせません。

平均値を前提にした楽観的な見通しではなく、自身の家計条件に即した現実的なシミュレーションを行うことが重要です。