物価高が続く中、年金の増額は家計の助けになるのでしょうか。少しずつ暖かさを感じる3月、4月15日の支給日を前に改定内容が注目されています。

1月23日に厚生労働省から発表された令和8年度の年金額の改定について、国民年金(基礎年金)は前年度比1.9%、厚生年金(報酬比例部分)は2.0%の引き上げとなります。

今回は、厚生労働省の公表資料をもとに、障害年金の改定額と上乗せ給付金の仕組みについて解説します。

1. 障害基礎年金、2026年度は増額改定「1級:月額約8.8万円、2級:月額約7万円」

障害年金は、加入している年金制度によって「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2階建て構造になっています。令和8年4月分からの改定額を確認しましょう。

障害年金は2階建て2/6

障害年金は2階建て

LIMO編集部作成

障害基礎年金の月額は2級が7万608円であるのに対し、1級はその1.25倍にあたる8万8260円(+子の加算)になります。障害厚生年金は「2階建て」の2階部分にあたるため、1級・2級の方は厚生年金に加えて、基礎年金もあわせて受け取れるのが大きな特徴です。

2026年度の障害年金「年金月額」3/6

2026年度の障害年金「年金月額」

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

この「1級は2級の1.25倍」という計算式は障害厚生年金(報酬比例部分)にも同様に適用され、さらに配偶者がいる場合の加給年金などが対象となります。

このように1級・2級は基礎と厚生のダブル受給となりますが、障害厚生年金には独自の3級もあり、症状や過去の納付実績に応じたきめ細かな保障となっています。

2. 障害年金生活者支援給付金、2026年度の月額「1級:7025円、2級:5620円」

2026年度は年金だけでなく、生活を支える「給付金」も増額されます。ここでは年金受給者に上乗せされる障害年金生活者支援給付金の詳細についてきていきましょう。

2.1 「年金に上乗せ」障害年金生活者支援給付金

障害年金生活者支援給付金は、2019年の消費税増税に伴う物価上昇の影響から、生活に特に配慮が必要な方の暮らしを支えるために設けられた制度です。この給付金は、障害基礎年金を受給している方のうち、所得が一定基準以下の方を対象として、通常の年金に上乗せして支給されます。

2026年度「障害年金生活者支援給付金」給付額4/6

2026年度「障害年金生活者支援給付金」給付額

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

月額支給額の目安(障害等級別)

  • 1級:7025円(対前年度+212円)
  • 2級:5620円(対前年度+170円)

2.2 障害年金生活者支援給付金「対象になるのはどんな人?」

  • 障害基礎年金の受給者である
  • 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額)

※ 障害年金、遺族年金等の非課税収入は除く

3. 障害年金生活者支援給付金、総数217万件超「最多は50歳代」

今月に厚生労働省から「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」が発表されました。ここからは、障害年金生活者支援給付金について、どの年代で受給者が多いか解説します。

障害年金生活者支援給付金(2025年3月)5/6

障害年金生活者支援給付金(2025年3月)

出所:厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」

受給件数の分布

  • 30歳未満:26万6276件
  • 30歳代:31万6202件
  • 40歳代:37万1772件
  • 50歳代:46万8876件
  • 60歳代:38万4626件
  • 70歳代:26万4423件
  • 80歳代以上:10万4991件

受給件数は約217万件にのぼり、平均給付額は月額5727円、年間に換算すると約6万8千円となります。 年齢別の受給構成を見ると、最も多いのは50歳代の約46万件となっており、次いで60歳代、40歳代と続きます。

この年金生活者支援給付金の制度が「一部の高齢者のためのもの」ではなく、働き盛りで心身に不調をきたした現役世代を支える重要な役割を担っていることが分かります。 病気や事故といった「もしも」の事態は、どの世代にとっても決して他人事ではありません。

4. 障害年金生活者支援給付金、手続きが必要「早めの確認を」

今回は、障害年金の増額内容と給付金制度のポイントを解説しました。基礎年金と厚生年金の2階建て構造により、加入状況によって受給額は異なります。生活者支援給付金は1級7025円へ増額され、特に50代を中心に多くの方が受給しています。物価高のなかで重要な支えとなる制度です。

制度は自動支給ではなく請求が必要です。制度内容を理解し、必要な手続きを早めに確認しておきましょう。

参考資料

村岸 理美