3月を迎え、卒業や転勤、そして新年度への準備など、身の回りの整理に追われる季節となりました。年度末ということもあり、相続手続きや公的書類を見直している方も多いでしょう。そんな慌ただしい日々の中で、つい見落とされがちなのが「死亡一時金」です。
国民年金に加入していた家族が亡くなった場合、一定の条件を満たしていれば受給できる可能性があります。
ただし、すべてのケースで支給されるわけではなく、亡くなった人と遺族の双方に受給条件が定められているほか、請求には期限もあります。
制度の存在を知らないまま請求期限を過ぎてしまうと、受給できたはずの給付を受け取れなくなる可能性があるため、注意が必要です。
本記事では、死亡一時金の概要や受給要件、あわせて確認しておきたい時効について、分かりやすく整理して解説します。
1. 【聞いたことある?】「死亡一時金」とは?
「死亡一時金」は、国民年金の第1号被保険者として36か月以上保険料を納付していた人が、老齢基礎年金や障害基礎年金を受け取らないまま死亡した場合に、その人と生計を共にしていた遺族に支給される制度です。
受給対象となるのは、死亡した人と生計を共にしていた遺族で、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順に、優先順位の高い人が受け取る仕組みです。
1.1 「第1号被保険者」とはどんな人?
「死亡一時金」は、国民年金の第1号被保険者として保険料を納付していた人が亡くなった場合に、遺族へ支給される給付ですが、そもそも第1号被保険者とはどのような立場の人を指すのでしょうか。
日本に住む20歳以上60歳未満の人は、原則として国民年金に加入することが求められています。
国民年金の加入者は3区分に分けられており、そのうち第1号被保険者に該当するのは、自営業者や農業従事者、学生、無職の人など、第2号被保険者や第3号被保険者に該当しない人たちです。
また、一定の要件を満たし、本人の意思で国民年金に任意加入している人についても、第1号被保険者と同様に取り扱われます。
- 日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の厚生年金、共済年金などの老齢年金を受けられる方
- 20歳以上65歳未満で海外に住んでいる日本人
- 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の方
- 65歳以上70歳未満の方(ただし、昭和50(1975)年4月1日以前生まれで、老齢基礎年金を受けるための受給資格期間を満たせない方に限ります。)
では、「死亡一時金」が支給される場合、実際にどの程度の金額を受け取ることができるのでしょうか。
