6. 医療費の支払いが困難な場合の「一部負担金の減額・免除等」制度
家計の状況によっては、医療費の自己負担分を支払うことが難しい場合もあるかもしれません。
そのような場合、都道府県や市区町村が設ける一定の条件を満たすことで、自己負担金の減額や免除といった支援を受けられる可能性があります。
一例として、東京都では以下のような要件が定められています。
- 被保険者または世帯主が、災害(震災、風水害、火災など)により財産に著しい損害を受けた場合
- 世帯主または主たる生計維持者が、天候不順(干ばつ、冷害など)による農作物の不作などにより収入が著しく減少した場合
- 世帯主または主たる生計維持者が、事業の休廃止や失業などにより収入が著しく減少した場合
- 世帯主または主たる生計維持者が、重篤な病気や負傷により死亡、心身に重大な障害、または91日以上の入院をした場合(被保険者のみの世帯を除く)
減額や免除が適用される期間は、申請日から最長で6カ月です。
実際の適用期間は、医療費の支払いがどの程度困難かといった個別の事情を考慮して判断されます。
申請手続きは、お住まいの市区町村の窓口で行えます。
必要な書類は申請理由や世帯の状況によって異なるため、事前に担当窓口へ問い合わせておくとスムーズでしょう。
7. ご自身の医療費「窓口負担割合」を確認しておきましょう
ここまで、後期高齢者医療制度の基本的な仕組みを解説し、窓口負担が2割となる「年金収入+その他の合計所得金額」の基準についてご説明しました。
2割負担の方を対象とした負担軽減策は2025年9月末で終了しており、医療費や介護費用の負担が増加しているケースもあるでしょう。
現役時代と比較して、老後は収入が減少する傾向にあるため、計画的な家計管理を心がけておくことが大切です。
「予定外の出費が重なった」「思ったより医療費がかさんだ」といった状況に備え、年金収入だけに頼るのではなく、ご自身の家計や資産状況に合わせた準備を検討してみてはいかがでしょうか。
※当記事は再編集記事です。
参考資料
- 内閣府「令和7年版高齢社会白書」
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」
- 政府広報オンライン「後期高齢者医療制度 医療費の窓口負担割合はどれくらい?」
- 厚生労働省「後期高齢者の窓口負担割合の変更等(令和3年法律改正について)」
- 東京都後期高齢者医療広域連合「一部負担金の減額・免除等」
- 厚生労働省「後期高齢者医療制度の令和6・7年度の保険料率について」
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」用語の説明
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- LIMO「【後期高齢者の医療費】75歳から「窓口負担が2割になる人」単身世帯・複数世帯の判定基準《年金収入+その他の合計所得》はいくら?」
矢武 ひかる
