次回の年金支給日は2月13日と、来月に控えています。年金が振り込まれるこのタイミングで、「自分はいま、毎月どのくらいの年金を受け取っているのか」「ほかの人はどれくらいなのか」と気になる方もいるかもしれません。
そんな日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の2つから構成されているため、下の体系図のような「2階建て」構造と呼ばれています。
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出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成
実際に受給できる年金額には個人差はあります。そこで本記事では、最新の統計をもとに、今のシニア世代が受け取っている平均年金月額を一覧表で整理します。あわせて、年金受給世代でも意外と進んでいない「終活」の実態についても、データをもとに確認していきます。
1. 年金受給世代の「終活」実態、人生の後半期を生き生きと過ごすための準備
長寿化が進むいま、老後や自分亡きあとを見据える「終活」への意識も高まっています。
2025年7月、NPO法人ら・し・さ(終活アドバイザー協会)が公表した「第2回終活意識全国調査報告書【確定版】」によると、20~89歳の男女2052名のうち、「終活」という言葉を聞いたことがある人の割合は実に96.2%。
2009年に初めて登場したとされる「終活」という言葉が、完全に社会に根付いたことが示されています。
一方で、依然として終活に対しするイメージは「亡くなったときのための準備」というマイナス面が根強く、70歳代以上でも70%がこのイメージを持っています。
「人生の後半期を生き生きと過ごすための準備」と捉える人の割合は高くなってはいるものの、ネガティブなイメージを上回るまでには至っていないようです。
1.1 終活の実行は、まずエンディングノートから
老後資金の計画から、具体的な終活の行動へと移行するため、ぜひ知っておきたいのがエンディングノートです。
同報告書では、「エンディングノート」をという言葉を聞いたことがある人は全体の84.3%。しかし、実際の「行動」となると、世代によって大きな差が見られます。エンディングノートを「持っている」割合、そのうち「書いている」割合を年齢別に見てみましょう。
【年代別】エンディングノート「認知度・所有率・実行率」
- 20歳代
- 聞いたことがある:60.7%
- 持っている:6.3%
- 書いている:92.2%
- 30歳代
- 聞いたことがある:74.1%
- 持っている:5.2%
- 書いている:76.9%
- 40歳代
- 聞いたことがある:85.3%
- 持っている:7.5%
- 書いている:77.3%
- 50歳代
- 聞いたことがある:86.6%
- 持っている:8.5%
- 書いている:64.0%
- 60歳代
- 聞いたことがある:92.5%
- 持っている:16.0%
- 書いている:53.8%
- 70歳代以上
- 聞いたことがある:93.9%
- 持っている:24.2%
- 書いている:50.6%
エンディングノートを「知っている人」の割合は年齢が上がるほど高まり、60歳代以上では9割を超えます。
一方、実際にエンディングノートを「持っている人」割合は、70歳代以上(24.2%)が最も高い一方、50歳代まででは一桁台にとどまります。終活がまだ喫緊の課題ではない若年層では、やむを得ない傾向と言えそうです。
また、エンディングノートを「持っている人」のうち、「書いている人」の割合は、年齢が上がるにつれて下がっていき、70歳代以上(50.6%)が最低となりました。
高齢になるにつれて、書くべきこと・書きたいことが増えたり、健康面や認知面の理由などから筆が進みにくくなってしまったりする可能性があるのかもしれません。
エンディングノートのメリットは、お墓や葬式、家族信託や生前贈与など、複雑な手続きが必要となるアクションとは異なり、自分一人で手軽に始められる点。
金融資産やデジタル資産などを整理する第一歩として、エンディングノートの記入から取り組んでみることは、有効な手段の一つと言えるでしょう。
【調査概要】NPO法人ら・し・さ(終活アドバイザー協会)第2回終活意識全国調査報告書【確定版】(2025年7月)
- 調査目的 :高齢社会における終活意識の実態を明らかにし、個人が豊かで安心した人生後半期を送るための支援策や啓発活動に役立てる
- 調査対象 :20~89歳の男女
- 調査地域 :全国
- 調査方法 :インターネットリサーチ
- 調査時期 :2024年12月4日(水)~12月6日(金)
- 回答者数 :2,052名
- 割付方法 :人口構成比割付(令和2年国勢調査の性年代別人口比率に基づく)
- 調査委託先 :株式会社マクロミル
2. 厚生年金、60歳~89歳の”ふつうの人”「平均年金月額はいくら?」
なかなか進まない「終活」の状況でしたが、まずは現在の家計の柱である「年金」の状況を整理し、自分自身の資産状況を可視化することから、前向きな終活をスタートさせてみることもおすすめです。そこで、今のシニア層が実際に受け取れる年金額はいくらくらいなのか、見ていきましょう。
厚生労働省年金局が発表した「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」のデータをもとに、年齢ごとの平均年金月額を一覧形式で確認していきます。
はじめに厚生年金(国民年金部分を含む)の平均年金月額を確認します。
2.1 【60歳代(60〜69歳)】厚生年金の年金月額一覧表
- 60歳:9万9664円
- 61歳:10万4455円
- 62歳:10万9323円
- 63歳:6万8758円
- 64歳:8万3901円
- 65歳:14万9862円
- 66歳:15万2378円
- 67歳:15万2356円
- 68歳:15万2709円
- 69歳:15万1284円
※65歳未満の厚生年金受給者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢が引き上げられたため、報酬比例部分のみ受給している方も含む。
2.2 【70歳代(70〜79歳)】厚生年金の年金月額一覧表
- 70歳:15万455円
- 71歳:14万8371円
- 72歳:14万6858円
- 73歳:14万5583円
- 74歳:14万7774円
- 75歳:15万1410円
- 76歳:15万1241円
- 77歳:15万962円
- 78歳:15万862円
- 79歳:15万3115円
2.3 【80歳代(80〜89歳)】厚生年金の年金月額一覧表
- 80歳:15万3729円
- 81歳:15万5460円
- 82歳:15万7744円
- 83歳:15万9994円
- 84歳:16万2555円
- 85歳:16万3947円
- 86歳:16万5577円
- 87歳:16万5557円
- 88歳:16万6200円
- 89歳:16万6767円
標準的な年金受給開始年齢は65歳となっています。65歳以降の各年齢で受け取れる厚生年金の平均年金月額は、14万円~16万円台でした。
3. 国民年金、60歳~89歳の”ふつうの人”「平均年金月額はいくら?」
続いて、国民年金(老齢基礎年金)について、各年齢で受給できる平均年金月額を見ていきます。
3.1 【60歳代(60〜69歳)】国民年金の年金月額一覧表
- 60歳:4万5186円
- 61歳:4万6371円
- 62歳:4万7784円
- 63歳:4万7258円
- 64歳:4万7896円
- 65歳:6万1240円
- 66歳:6万1369円
- 67歳:6万1345円
- 68歳:6万1293円
- 69歳:6万978円
※65歳未満の国民年金(老齢基礎年金)受給者は繰上げ受給を選択した方。
3.2 【70歳代(70〜79歳)】国民年金の年金月額一覧表
- 70歳:6万1011円
- 71歳:6万770円
- 72歳:6万234円
- 73歳:6万32円
- 74歳:5万9813円
- 75歳:5万9659円
- 76歳:5万9555円
- 77歳:5万9349円
- 78歳:5万9124円
- 79歳:5万8676円
3.3 【80歳代(80〜89歳)】国民年金の年金月額一覧表
- 80歳:5万8623円
- 81歳:5万8269円
- 82歳:5万8003円
- 83歳:5万7857円
- 84歳:5万9675円
- 85歳:5万9425円
- 86歳:5万9228円
- 87歳:5万9204円
- 88歳:5万8756円
- 89歳:5万8572円
65歳以降の人が受給できる国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額は、5万円~6万円台となっています。
4. 国民年金・厚生年金、平均を知り客観的に「自分を見つめ直す」ヒントに
年金の受給額は人それぞれ異なりますが、平均額を知ることで、自分の状況を客観的に見つめ直すヒントになります。
一方で、調査からは、年金を受け取る世代であっても、終活に本格的に取り組めていない人が多い現状も見えてきました。
終活は特別なことをする必要はなく、資産や希望を書き出すところからでも十分に始められます。年金支給日をきっかけに、これからの暮らしや備えについて、無理のない形で考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- NPO法人ら・し・さ(終活アドバイザー協会)第2回終活意識全国調査報告書【確定版】(2025年7月)
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
村岸 理美