7. 年金請求を忘れるとどうなる?支給遅延・時効のリスクとは?
お伝えしてきたように、老齢年金は、受給資格があっても自動的には支給されません。原則として、本人が請求手続きを行ってはじめて支給が始まります。請求が遅れれば、その分、受け取れない期間が生じます。
7.1 時効は「5年」でも、失われる可能性も
年金には5年の時効があります。請求が大幅に遅れた場合、過去分すべてをさかのぼって受け取れるわけではなく、時効を過ぎた分は原則として支給されません。
「いつからもらえるか」だけでなく、「いつまで遡れるか」が実務上の重要ポイントです。
7.2 繰下げ受給との混同に注意
受給開始を遅らせて年金額を増やす「繰下げ受給」は、意思表示としての手続きが前提です。
単に請求を忘れていただけでは、繰下げとはみなされず、結果として受給機会を失うリスクがあります。
7.3 制度理解と手続き管理が老後資金を守る
年金制度は「知っているかどうか」「期限を守れるかどうか」で、受取総額に差が出ます。
現役世代特有の支出に目を向けるだけでなく、年金の請求時期・手続きの管理まで含めて老後資金を考えることが、将来の家計リスクを減らす現実的な備えといえるでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします 年金額は前年度から国民年金(基礎年金)が 1.9%の引上げ 厚生年金(報酬比例部分)が 2.0%の引上げです」
- 日本年金機構「特別支給の老齢厚生年金を受給するときの手続き」
- 日本年金機構「65歳時の年金の手続き(特別支給の老齢厚生年金を受給している方)」
- 日本年金機構「これから老齢年金を受給する方へ」
- 日本年金機構「老齢年金請求書の記入方法等」
- 日本年金機構「年金の繰上げ受給」
- 日本年金機構「老齢年金請求書の電子申請ができる期間を教えてください。」
- 日本年金機構「年金の時効」
マネー編集部社会保障班