5. 《試算》繰下げ受給を選んだら、受給額はどこまで増える?
老齢年金は、受け取り開始を66歳以降に遅らせる「繰下げ受給」を選ぶと、1カ月あたり0.7%、受給額が増える仕組みになっています。ここでは、厚生年金の平均受給月額15万289円を基準に、繰下げた場合の目安額を試算してみましょう。あくまで一定の前提を置いた試算であり、実際の増額を保証するものではありません。
- 66歳まで1年(12カ月)繰下げ:増額率8.4% → 月額約16万2913円
- 70歳まで5年(60カ月)繰下げ:増額率42.0% → 月額約21万3410円
- 75歳まで10年(120カ月)繰下げ:増額率84.0% → 月額約27万6532円
繰下げ受給は一度選択すると原則取り消せず、繰下げている間は年金を受け取れない期間が生じる点にも注意が必要です。何歳まで働き、何歳から年金を受け取るかは、健康状態や資産状況とあわせて検討することをおすすめします。
繰下げ受給を「増える」というメリットだけで判断される方は少なくありません。繰り下げている期間は年金を受け取れませんし、加給年金や振替加算など、繰下げによって受け取れなくなる制度もあるため、単純に増額率だけで比較するのはおすすめできません。
また、公的年金は老齢年金だけでなく、障害年金・遺族年金という保障もあわせ持つ制度です。老後の受取額だけでなく、万一のときの保障としての側面も含めて、ご自身とご家族にとって無理のない受け取り方を考えていただければと思います。
「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を使えば、ご自身の見込み額をいつでも確認できます。まずは現状を把握するところから、老後の年金設計を始めてみてください。
6. まとめ
本記事では、公的年金の2階建て構造と2026年度の支給日カレンダー、2026年度の年金額改定、収入や働き方による年金額の違い、そして厚生年金・国民年金の男女別平均受給額を紹介しました。
年金額には男女差・個人差が大きく、平均額をそのまま自分に当てはめることはできません。まずはご自身の「ねんきん定期便」で見込み額を確認し、繰下げ受給を含めた受け取り方についても、早めに検討しておくことをおすすめします。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
- 日本年金機構「国民年金保険料」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「Q.年金はいつ支払われますか」
- 【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
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橋本 優理
