2025年は、米国の政権交代や為替市場の乱高下、日経平均株価や金価格が史上最高値を連日更新するなど、さまざまなイベントが起きた1年でした。
2026年はどんな相場になるのか。
短期的な売買ではなく、10年、20年…と長い目で資産の成長を見守りたい人は「つみたて投資枠」を活用した積立投資が安心です。
この枠で投資できる商品は、金融庁が「長期・積立・分散」に適していると認めたものに限定されています。
本記事では、2025年12月時点の最新データを基に、つみたて投資枠の対象商品の種類や、不安定な相場でも後悔しないための「ファンド選びの3つの鉄則」を詳しく解説します。
1. NISA「つみたて投資」で投資できるものは?
つみたて投資枠は、国民の安定的な資産形成を支援するために設計された制度です。
そのため、対象となる投資信託(ファンド)には、一般の投資信託よりも厳しい基準が設けられています。
- 販売手数料がゼロ(ノーロード): 投資家が購入時に支払う手数料は一切ありません。
- 信託報酬(維持費)が低水準: 運用中にかかるコストが一定以下に制限されています。
- 信託期間が長期: 20年以上、または無期限であること。
- 複雑な取引を制限: デリバティブ取引などを活用した複雑でハイリスクな運用を行っていないこと。
1.1 対象ファンドの本数(2025年12月時点)
- 指定インデックス投資信託: 279本
- アクティブ運用投資信託等: 59本
- 上場株式投資信託(ETF): 9本
合計347本
現在、対象の約8割が「インデックス投資信託」となっており、低コストで市場全体に投資するスタイルが主流となっています。
2. 「インデックス」「アクティブ」「ETF」それぞれの特徴を比較
積立投資の対象は大きく3つに分けられます。それぞれの違いを理解して、自分のリスク許容度に合ったものを選びましょう。
インデックス・アクティブ・ETFの違い1/6
LIMO編集部作成
2.1 「インデックスファンド」とは?
インデックスファンドとは、市場全体や特定の指標(インデックス)に連動した運用を目指す投資信託です。
投資信託が目標とする指標は「ベンチマーク」と呼ばれ、これをどれに設定するかによって、ファンドの運用方針が決まります。
NISAの「つみたて投資枠」の対象商品のうち、約8割を占める「指定インデックス投資信託」は、こうした特定の指標に基づいて選定されています。
例えば、日本株式を対象とするインデックス投資信託では、TOPIXや日経平均株価がベンチマークとして用いられます。
日経平均株価をベンチマークとするファンドの場合、代表的な225銘柄に投資し、日経平均株価の値動きに連動したリターンを目指します。
<主要な指標>
- 日本株式:TOPIXや日経平均
- 米国株式:S&P500
- 世界株式:MSCI ACWI など
2.2 「アクティブファンド」とは?
「アクティブ運用投資信託」は、ファンドマネージャーが銘柄を厳選し、市場平均を上回る成果を目指す運用です。
- メリット: 独自の視点で高いリターンを狙える可能性がある。
- 注意点: 信託報酬がインデックス型より高く、成績が市場平均を下回るリスクもある。
2.3 「ETF」とは?
証券取引所に上場しており、株式と同じようにリアルタイムで売買できる投資信託です。
- 特徴: つみたて投資枠では「インデックス型のETF」が対象となります。分配金の再投資が自動で行われない場合があるなど、中上級者向けの側面もあります。
3. NISAつみたて投資枠で後悔しないための「3つの選定ポイント」
NISAの「つみたて投資枠」を活用する際、どのように投資信託を選ぶべきでしょうか。
本章では、新NISAで投資信託を選ぶ際に「後悔しない」ために押さえておくべき3つのポイントをご紹介します。
3.1 ポイント1:「信託報酬」が低いファンドを選ぶ
積立投資は20年、30年と続く長期戦です。わずか0.1%のコスト差が、将来の資産額を数十万円単位で左右します。
2025年現在、主要な全世界株式や米国株式のインデックスファンドでは、信託報酬が年率0.1%を切る(0.05%〜0.09%台)超低コスト商品が標準となっています。
投資信託の運用成績(リターン)を予測することは困難ですが、「コスト(信託報酬)」だけは、あらかじめ決まっている確実なマイナス要素です。 似たような運用方針のファンドで迷ったら、まずはコストの低いものを選ぶのが鉄則といえるでしょう。
国内市場に投資する指定インデックス型投資信託の信託報酬の平均はおおよそ0.24%となっており、特に0.1%超0.2%以下に収まるファンドが多数を占めています。
一方で、国内と海外の両方に分散投資する指定インデックスファンドの場合、平均的な信託報酬は約0.32%です。
この分類においては、0.4%超0.5%以下の水準のファンドが最多となっています。
3.2 ポイント2:これまでのファンドの運用成績をチェックする
投資信託を選ぶ際、過去にどれだけ増えたか(リターン)をチェックするのは基本です。
しかし、それ以上に大切なのが「どのくらい価格が上下に揺れ動いたか」というリスクを確認することです。
特に見ておきたいのが、「過去に最大でどのくらい値下がりしたか」という点です。 たとえ10年後に資産が2倍になる計算だとしても、その途中で資産が半分に減るような急落を経験すると、怖くなって途中で投資をやめて(解約して)しまう人が少なくありません。
積立投資の成功の秘訣は、何があっても「やめずに続けること」です。自分の心がざわつかない程度の、ほどよい値動きのファンドを選ぶことが、無理なく継続するための重要なポイントとなります。
3.3 ポイント3:「投資先」をバラバラに
特定の国だけに投資をする「集中投資」は、その国が絶好調のときは大きな利益が期待できます。しかし、その国の政治や経済に異変が起きたとき、資産がダイレクトにダメージを受けてしまう脆さもあります。
「卵は一つのカゴに盛るな」という格言があるように、投資先を特定の地域に絞りすぎないことが大切です。
世界中に投資先を広げているファンドや、株式だけでなく値動きの異なる「債券」などを組み合わせた「バランス型ファンド」を活用して、リスクを広く分散させることを検討してみましょう。
4. 【シミュレーション】NISAの積立投資で資産がどのように成長するか?《期待値》
積立投資で将来的にどれくらいの利益が得られるかを以下の2つのパターンを使ってシミュレーションしてみましょう。
4.1 「毎月3万円×想定利回り5%×20年」のケース
まずは、想定利回り5%で毎月3万円で20年間積立投資をした場合のケースについて見ていきましょう。
- 1233万円(元本:720万円、利益:513万円)
元本720万円に対して513万円の運用益が見込まれるというシミュレーション結果が出ました。
4.2 「毎月3万円×想定利回り9%×20年」のケース
続いて、想定利回り9%で、毎月3万円で20年間積立投資をした場合のケースについて見ていきましょう。
- 2004万円(元本:720万円、利益:1284万円)
元手720万円が20年で2000万円を超える計算となり、「雪だるま式に資産が増える」といわれる複利の力を実感できる結果となりました。
ただし、この計算結果は「毎年同じペースで増え続けた場合」のシミュレーションです。実際の投資では、相場が良い年もあれば悪い年もあり、リターンは常に波のように上下します。
また、資産運用に「絶対」はなく、預金とは違って元本(預けたお金)を下回ってしまう時期があるかもしれません。
一時的にマイナスが出ると焦ってしまいがちですが、大切なのは一喜一憂しすぎないことです。
将来の利益を楽観視しすぎず、「これくらいの損なら生活に支障がない」という無理のない範囲で、淡々と続けていくことが着実な資産形成への近道となります。
5. まとめ
2014年に始まったNISA制度。10年後の2024年には、さらに使い勝手の良い制度に改正されました。
口座開設数は着実に増え続けており、国が掲げる「貯蓄から投資へ」という流れは、私たちの暮らしに身近なものとなりつつあります。
これから積立投資を始める方は、「結局、どのファンドを選べばいいの?」と迷われるかもしれません。また、すでに数年続けている方は、市場のニュースを見て「このまま持ち続けていたら、暴落して損をするのでは」と不安を感じることもあるでしょう。
しかし、資産運用の成功を左右するのは、その時々の流行の商品を追いかけることではなく、「じっくりと長い目で見守り続けること」にあります。
新NISAの「つみたて投資枠」で選べる商品は、もともと金融庁が「長期・積立・分散投資」に適していると認めたものだけに限定されています。
もちろん「絶対に利益が出る」と保証されているわけではありませんが、コツコツと購入時期をずらす「時間分散」を行いながら、長く保有し続けることで、価格変動のリスクを効果的に抑えることができます。
5.1 【参考】人気の高いインデックスファンド「オルカン」と「S&P500」を比較
ここでは、オルカンとS&P500の実際の運用実績を見比べてみましょう。
オルカンの基準価額と純資産総額の推移
【2025年12月26日基準】
- 設定日:2018年10月31日
- 設定来の運用実績:+234.26%
- 直近1年間の運用実績:+20.48%
S&P500の基準価額と純資産総額の推移
【2025年12月26日基準】
- 設定日:2018年7月3日
- 設定来の運用実績:+198.59%
- 直近1年間の運用実績:+15.0%