5. まとめ
平均寿命が延びる現代社会では、老後の生活を安定させるために、公的年金と並行して「就労による収入」を確保することがますます重要になっています。
本記事で解説したように、シニアの再就職や雇用継続をサポートする「再就職手当」や「高年齢雇用継続給付」、年金に上乗せして支給される「年金生活者支援給付金」や「加給年金」など、シニア世代が活用できる公的制度は数多く存在します。
重要なポイントは、これらの公的支援のほとんどが、自ら申請しなければ受け取れない「申請主義」に基づいていることです。
さらに、2026年4月から在職老齢年金の基準額が62万円へ引き上げられるなど、2025年の法改正により、働くシニアを取り巻く環境は常に変化しています。年金と仕事の最適なバランスを見つけるためには、こうした制度改正や給付金の情報を正確に理解しておくことが、家計の安定につながります。
ご自身のライフプランに合わせて利用可能な制度を最大限に活用し、計画的に働き続けることが、より豊かで安心な老後生活を送るための基盤となるでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「再就職手当のご案内」
- 厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」
- 厚生労働省「離職されたみなさまへ<高年齢求職者給付金のご案内>」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 日本年金機構「加給年金額と振替加算」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
--- OhSirでリライトしました(再構成し再編集しました):[元記事](
「人生100年時代」という言葉が浸透し、多くのシニアが健康を維持しながら65歳を過ぎても働き続ける時代になりました。
2025年も終盤を迎えたいま、後半の今、長引く物価高や年金制度の改正議論が続くなかで、公的年金に加えて「働くこと」で老後資金を支える重要性は高まっています。
この記事では、働きながら年金を受給するシニアの方々、またはこれから老後に向けて長く働きたいと考えている方々に向けて、知っておきたい雇用保険関連の給付金や、老齢年金に上乗せされる「年金生活者支援給付金」「加給年金」の要件や金額を詳しく解説します。
さらに、2025年6月に成立した年金制度改正法のなかでも、働くシニアに直接影響する「在職老齢年金の見直し」や「社会保険適用拡大」の最新情報もお伝えします。ご自身の働き方や家計状況と照らし合わせ、もらい忘れのないよう確認し、安心できるセカンドライフにつなげてください。
※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。
7. 「人生100年時代」に生きるいまどきシニア、仕事も年金も大事な収入源
内閣府「令和7年版高齢社会白書」によると、65~69歳の男性の6割以上、女性の4割以上が就労中です。70歳代前半でも、男性の4割弱、女性の2割以上が仕事を続けています。
年齢を重ねるにつれて働く人の割合は少しずつ減少するものの、シニア全体で見ると就業率は徐々に高まっています。
一方で、60歳以降は給料が下がるケースが多く見られます。また、現役時代のように希望通りの仕事に就けなかったり、健康上の理由で働き続けることが難しくなったりすることもあるでしょう。
厚生労働省「令和6年簡易生命表の概況」によると、日本人の平均寿命は、男性81.09年、女性87.13年。老齢年金世代である65歳以上のシニアにとって、「公的年金」と並んで「就労」は、長くなる老後の暮らしを支える重要な柱となっています。
次の章以降では、シニアを対象とする給付金や手当などのうち申請しないと受け取れない、「雇用保険関連のお金」と「公的年金に上乗せされるお金」について、整理してお伝えしていきます。