今年も早いもので12月を迎え、年末調整や今年の収支を振り返る時期となりました。来年の目標設定を考える中で、老後の資産形成についても改めて意識する方が増えているのではないでしょうか。

「年金だけで暮らすのは難しい」と言われることが増えています。しかし、実際には年金収入を中心に生活を成り立たせているシニアも少なくありません。

彼らに共通しているのは、特別な投資や高収入ではありません。現役時代からの“積み重ね”です。

本記事では、安定した老後生活を送っている人が現役期に取り組んでいた代表的な行動を5つ紹介します。

1. まずは「貯蓄状況」の現実を知る!シニア世帯の平均貯蓄額と中央値は?

老後、年金収入だけでの生活を検討する際には、まず貯蓄状況を把握しておくことが大切です。

J-FLEC(金融経済教育推進機構)が実施した「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯・2024年)」によると、60歳代世帯の金融資産は中央値が650万円である一方、平均値は2033万円と、大きな開きがあることが分かります。

※この調査での金融資産には、日常の支出や口座引き落とし用の普通預金残高は含まれていません。

また、70歳代では中央値が800万円、平均値が1923万円と、やはり中央値と平均値の差が目立ちます。

この数字は「平均以上の資産があれば安心」と楽観的に考えるのは危険だということを示しているといえるでしょう。

実際には、多くの世帯の貯蓄額は中央値である800万円あたりに集中しています。この中央値が示すように、大多数の世帯が老後の生活資金をどのようにやりくりしていくか、という課題に直面していると考えられます。

資産形成や支出管理を計画的に行う必要性が、ここからも読み取れます。

では、安定した老後をおくれている方はどんな対策をしてきたのでしょうか。次の章からご紹介していきます。