2.2 住居費の負担を軽くする選択を早めに行う

住居費は老後の家計で最も大きな支出のひとつであり、これを軽くする対策を現役時代から講じている人は非常に多いです。具体的な方法としては、以下のような選択肢があります。

住宅ローンの完済

持ち家がある場合、現役時代にローンを完済することで、年金生活に入った後に大きな支払いを抱えずに済みます。これにより、住居費が大きく軽減され、その分を生活費や貯蓄に回せます。

家賃の安い物件への転居

賃貸住宅に住んでいる人の中には、定年近くで家賃の安い地域やことなるタイプの物件に引っ越すことで家賃負担を下げる人もいます。都市部から地方への移住を選ぶ人もおり、家賃と生活コストのバランスを長期視点で見直す戦略です。

実家の活用

実家がある場合、定年後に戻る選択をする人も少なくありません。実家を利用すれば住居費が不要になるか、非常に低く抑えられるケースもあります。

以下はライフステージ別に住まいの面積を現した表です。

夫婦のみで生活する住まいは子どもと一緒に生活している住まいと比べて面積が小さく、構造が異なる傾向が明らかになっています。

住居費を安くするための「住み替え」も考えながら、自身に合った生活をすることもこの先大切になっていくでしょう。

このような住まいの選択肢を現役時代に整理しておくことは、老後の生活設計において非常に強力な備えとなります。