4. 【フルタイムもパートも】自分にとって最適な働き方を設計しよう
今回は、最低賃金の大幅な引き上げや社会保険の適用拡大などの制度改正が進む一方で、フルタイム(一般労働者)とパートタイム労働者の間に依然として大きな給与格差がある現状を、最新の統計データをもとに解説しました。
データで確認したように、平均月収の差は約3.5倍であり、特に「教育、学習支援業」や「飲食サービス業など」ではその差が大きくなっています。しかし、「106万円の壁」の撤廃は、短時間労働者が厚生年金に加入しやすくなるという大きなメリットを生み出します。
厚生年金に加入することで、将来の年金額が増えるだけでなく、医療保険や傷病手当金といった保障も手厚くなるため、これまで扶養内で働くことにこだわっていた方にとって、働き方を考える転機となります。給料の額面だけでなく、将来の安心を含めた「生涯賃金」や「生涯保障」という視点を持つことが重要です。
制度改正の動きを追いかけ、ご自身のライフプランに合わせて最適な働き方を設計することが、今後の収入や保障を充実させるカギとなるでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「プレスリリース令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について」
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査2025(令和7年)9月分結果速報等、第1表 月間現金給与額」
- 厚生労働省「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律の概要」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
- 厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」
- 総務省「日本標準産業分類(令和5年7月告示)」
村岸 理美