寒い冬の足音が聞こえるこの季節、家計にとっては明るいニュースも届いています。多くの民間企業では、2025年冬のボーナスが前年を上回るとの見通しが広がり、賃上げの流れが賞与にも反映されつつあります。

しかし、その一方で、物価高は依然として家計を直撃しており、この「増えたボーナスを消費に回すべきか、それとも将来の不安に備えて貯蓄すべきか」と、悩む世帯も多いでしょう。

総務省統計局の「家計調査報告 貯蓄・負債編(2024年)」によると、二人以上世帯の貯蓄平均は1984万円と6年連続で上昇。前年からも80万円(4.2%)の増加となっています。

ここで気になるのが全体の13.9%を占める、貯蓄「4000万円以上」という世帯の存在です。

平均や中央値から大きくかけ離れたこの層を見ると、「やはり年収の高い世帯が富裕層なのか?」と想像しがちですが、年収と貯蓄額は本当に比例するのでしょうか?

今回は、二人以上世帯の貯蓄事情を、「全体」「働く世帯」「世帯主が65歳以上のシニア世帯」の類型別に深掘りながら、「貯蓄4000万円以上世帯」の実態にフォーカスし、その秘密を探ります。