4. 仕事・キャリア観では子どものほうが「保守的」?

仕事やキャリアに関する価値観にもギャップがあります。

4.1 勤務地へのこだわり

「勤務地にこだわらない」と回答した子どもは37.8%であるのに対し、親は55.2%であり、子どもの方が「実家(地元)の近くで働きたい」と思っていることがわかります。

海外勤務についても、希望する子どもは32.3%であるのに対し、「海外で仕事をするのもよいと思う」と回答した親は51.3%に上りました。

親世代では、勤務地や働き方の選択肢が今ほど広くはなく、子どもには選択肢を広く持っていてほしいという思いがあるのかなと思います。

ただ、子どもの立場からすると、居心地が良いのはやはり地元で、海外はなおさらハードルが高いのだと考えられます。

4.2 勤務先への意識

子どもは「大企業や公務員など安定した仕事に就きたい」と回答した人が60.1%であるのに対し、親は66.8%と、親の方が子どもの安定志向をより強く望んでいることがわかります。

さらに「1つの会社で長く勤めたい」という考え方については子どもが58.7%でした。「1つの会社で勤めてほしい」と回答した親は56.6%で子どもとほぼ変わりなく、転職が一般的となった今でも、1つの会社に勤めたいという思いを持つ人も多いようです。

仕事やキャリアについては、子どもは現実的な回答をしているのに対し、親は子どものためにより良い選択肢を取ってほしいという願いが込められているようにも思われます。

そのため、一概にギャップがあるというよりは、子どもの意向を汲んだ結果とも言えます。ギャップがあると感じた時には、子どもの話を聞いてみることが大事かもしれませんね。

5. まとめ

価値観の違いについて、親のほうが感じていると回答した人が多く、子どもとの接し方を悩んでいる親が多いのだと考えられます。

子どもからは「コミュニケーション不足」の声が多く、それが仲の良さに対する不満や価値観の違いにつながっているのでしょう。親子双方とも、お互いを理解する最初のポイントは「コミュニケーションをとる」ことかもしれませんね。

参考資料

LIMO・U23編集部