4. 繰上げ受給で損する年齢はどこから?
年金を受け取る際に「損益分岐点がどこか」を考える人もいるでしょう。繰上げ受給をすれば年金額が減る分、どこかの段階で、通常の金額を受け取る人に受給総額を逆転されます。
この年齢はどのあたりなのか、老齢厚生年金(基礎年金含む)の平均額である月額14万6429円を受給した場合を例に試算してみましょう。
60歳で年金を受給すると、24%の年金が減額されます。よって、月額14万6429円の年金を繰上げ受給した場合、繰上げ後の年金は月額11万1286円になります。
年金額は生涯変わらないものとして、それぞれの金額を受給し続けた場合、以下の年齢で受給総額が逆転します。
60歳
- 通常受給時:-
- 繰上げ受給時:133万5432円
61歳
- 通常受給時:-
- 繰上げ受給時:267万864円
62歳
- 通常受給時:-
- 繰上げ受給時:400万6296円
63歳
- 通常受給時:-
- 繰上げ受給時:534万1728円
64歳
- 通常受給時:-
- 繰上げ受給時:667万7160円
65歳
- 通常受給時:175万7148円
- 繰上げ受給時:801万2592円
70歳
- 通常受給時:1054万2888円
- 繰上げ受給時:1468万9752円
75歳
- 通常受給時:1932万8628円
- 繰上げ受給時:2136万6912円
78歳
- 通常受給時:2460万72円
- 繰上げ受給時:2537万3208円
79歳
- 通常受給時:2635万7220円
- 繰上げ受給時:2670万8640円
80歳
- 通常受給時:2811万4368円
- 繰上げ受給時:2804万4072円
80歳付近で、通常受給時の金額が、繰上げ受給時を上回ります。最大で約668万円あった金額差は、15年ほどで埋まるのです。前述のとおり平均寿命は男性が約81年、女性が約87年ですから、繰上げ受給をすると受給総額で損をする可能性は十分考えられるでしょう。
